ファン・フェルナンデス諸島

ファン・フェルナンデス諸島は、チリ本土から西へ約670キロメートル離れた太平洋上に位置する火山性の群島です。ロビンソン・クルーソー島（旧名マサティエラ島）、アレハンドロ・セルカーク島、サンタ・クララ島の3つの島からなり、行政的にはチリのバルパライソ州に属しています。

概要

16世紀後半にスペイン人航海士フアン・フェルナンデスによって発見されたとされています。この諸島は国立公園に指定されており、11種類の固有の鳥類や、絶滅の危機から回復したファン・フェルナンデスアシカなどが生息しています。諸島の総面積は182平方キロメートルで、中心となるのはロビンソン・クルーソー島のサン・ファン・バウティスタという集落です。

18世紀初頭には、スコットランド人航海士アレキサンダー・セルカークが置き去りにされ、その後4年間を一人で生き抜いたことで有名です。アレハンドロ・セルカーク島は彼の名前に由来します。また、セルカークの経験はダニエル・デフォーの小説『ロビンソン・クルーソー』のモデルになったとされ、最大の島であったマサティエラ島は、1966年にロビンソン・クルーソー島と改名されました。

ファン・フェルナンデス諸島は、独自の生態系が発達しており、特に植物相が豊かです。ラクトリス・フェルナンデジアナ、木生シダのThyrsopteris elegans、Cuminia eriantha var. fernandezia、キャベツノキ、ロビンソンクルーソーパーム、Megalachne属、Podophorus bromoides、Robinsonia属、Selkirkia berteroi、Centaurodendron属など、131種もの固有の植物が生息しています。特に森林地帯では、植物種の100%が固有種であるという特異な環境です。

動物相も独特で、フェルナンデスベニイタダキハチドリ、フェルナンデスカラタイランチョウ、ファン・フェルナンデスオットセイなど、固有の種が多く見られます。この貴重な生態系を保護するため、1977年にはユネスコの生物圏保護区に指定されました。

交通

ロビンソン・クルーソー島には、ロビンソン・クルーソー飛行場が設置されており、外部からのアクセスを可能にしています。

ファン・フェルナンデス諸島は、その特異な自然環境と歴史的背景から、多くの人々を魅了する場所となっています。

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