フィリップ・スキッポン

フィリップ・スキッポンの生涯と功績

フィリップ・スキッポン（1600年頃 - 1660年2月20日頃）は、清教徒革命時代のイングランド王国およびイングランド共和国で活動した軍人および政治家である。彼の生涯は、軍の指導者としての多大な貢献や、政治的な立場による変遷を辿っており、イングランド内戦の重要な一角を担った。

軍歴の始まり

スキッポンは若い頃から軍に参加することを決意し、プファルツ選帝侯フリードリヒ5世を助けるためにサー・ホレス・ヴィアーの遠征隊に志願する。1623年にフランケンタールの包囲戦に参加し、敗北を喫するが、その後オランダでマウリッツに仕官し、1625年と1637年のブレダ包囲戦では重傷を負った。彼は軍の中での能力を磨き続け、1632年のマーストリヒト包囲戦では、少佐に昇進するなど、急成長を遂げていった。

スキッポンはまた、宗教心が強く、家族への信仰を表す冊子も執筆していた。1638年にイングランドへ帰国し、翌年にはチャールズ1世から名誉砲兵隊の指揮を依頼されるが、1月8日には議会側に加わる決断を下す。これは当時、危機に陥っていたイングランドの政治的な状況を象徴していた。

内戦と議会派としての活動

スキッポンは議会派として活動を開始し、ロンドン民兵団の指揮を執った。その後、エッジヒルの戦いやターナム・グリーンの戦いに参加し、特にターナム・グリーンでは訓練不足の民兵を奮起させるなどの指導力を発揮し、陸軍少将に昇進した。

1643年には第一次ニューベリーの戦いで国王軍を撃退し、続くロストウィシエルの戦いでも議会軍の指揮を取るなど、重要な戦闘において活躍したが、戦闘の流れを変えることは難しかった。1645年に創設されたニューモデル軍においては、副司令官としての役割を任され、ネイズビーの戦いでは重傷を負いながらも戦い続け、後に議会から称賛を受けた。

戦後の政治活動

内戦が収束した後、スキッポンは新たな政治環境に適応しようとしていた。彼は議会と軍の対立を仲介する役割を果たし、国王との和解を目指したが、結局は実現しなかった。国王裁判では欠席のまま。その後、イングランド共和国が成立すると複数回議員に選出され、議会での政治活動を行った。

1655年には軍政監の一員とし、ロンドンとミドルセックスの軍の管理を担当することになり、反倫理的な行動を取り締まる姿勢で支持を集めた。その一方で、議会で発言することは少なかったが、彼の名は庶民の間で人気を博していた。

最後の年

クロムウェルの死後、復元された長期議会に再度ロンドン民兵団の指揮官に任命されたスキッポンだったが、年齢による体力の衰えにより、情勢の変化には対応しきれず、1660年にその生涯を閉じる。彼はプファルツで出会ったメアリー・カムズ・オブ・フランケンタールと結婚し、同名の息子フィリップをもうけ、息子も政治家として活動した。

以上のように、フィリップ・スキッポンはイングランド内戦期の歴史において、重要な軍事的および政治的な役割を果たし、その生涯は多くの試練と成功で彩られていた。

もう一度検索