フィリピン標準時

フィリピン標準時（Philippine Standard Time, PST）

フィリピンで使用されている標準時は、協定世界時（UTC）を8時間進めたUTC+8です。フィリピン語では「Pamantayang Oras ng Pilipinas」と表記されます。この時間帯は、地理的に東経116°40′から126°34′の範囲に位置するフィリピンの国土に適合しています。

概要

フィリピンは、UTC+8のタイムゾーンに完全に含まれており、この時間帯が標準時として採用されています。この時間帯を共有している他の地域には、中国、台湾、マレーシア、ブルネイ、インドネシア中部、オーストラリアの西オーストラリア州、シンガポールなどがあります。フィリピンの標準時は、フィリピン大気地球物理天文局（PAGASA）が維持・生成しています。

歴史

フィリピンの標準時は、1978年12月2日に承認され、1983年1月1日に施行されたBatas Pambansa Blg 8によって正式に制定されました。

歴史的な日付変更

かつてスペイン領であったフィリピンは、1521年から1844年まで国際日付変更線の東側に位置し、メキシコと同じ日付を使用していました。これは、フィリピンがメキシコのアカプルコとの間で重要な交易拠点であったためです。しかし、1844年にフィリピンは日付変更線の西側へと移動し、それに伴い、1844年12月30日月曜日の翌日が1845年1月1日水曜日となりました。この変更により、フィリピンはアジアの他の地域と日付を一致させることになりました。

標準時の変遷

フィリピンの標準時は、上記のように歴史的な日付変更を経て、現在のUTC+8に落ち着いています。この時間帯は、フィリピン全土で一貫して使用されています。

夏時間

2017年現在、フィリピンでは夏時間は実施されていません。しかし、過去には何度か夏時間が導入されたことがあります。具体的には、1936年から1937年にかけてマニュエル・ケソン大統領の時代、1954年にラモン・マグサイサイ大統領の時代、1978年にフェルディナンド・マルコス大統領の時代、そして1990年にコラソン・アキノ大統領の時代に、それぞれ短期間実施されました。

IANAのTime Zone Database

IANA（Internet Assigned Numbers Authority）のTime Zone Databaseには、フィリピンの標準時が1つ登録されています。これは、フィリピン全土で一貫して使用されているUTC+8の時間帯を指します。

まとめ

フィリピン標準時は、フィリピンの経済活動や日常生活に欠かせない基盤です。UTC+8という時間帯は、東南アジアの多くの国々と共通であり、国際的な連携においても重要な役割を果たしています。過去には日付の変更や夏時間の導入など、いくつかの歴史的な出来事がありましたが、現在は安定した標準時として機能しています。

参考情報

フィリピン標準時（Philippine Standard Time）
世界時間帯の略称、説明とUTCオフセット
* フィリピン、マニラのタイムゾーン

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