フェルナンディナ島

フェルナンディナ島の概要

フェルナンディナ島（Isla Fernandina）は、ガラパゴス諸島の最西端に位置する島で、642平方キロメートルの面積を持つ群島で3番目に大きな島です。この島は約5万年前に形成され、ガラパゴスのホットスポットによって生成された活発な楯状火山として知られています。地名は、クリストファー・コロンブスの航海を支えたカスティーリャ王フェルナンド5世に由来し、英語名のナーボロウ島は海軍の司令官ジョン・ナーボロウ卿に由来しています。

地形と火山活動

フェルナンディナ島は、深さ1000メートルの海底より高くそびえ立ち、標高1494メートルの火山山体を持ち、最上部には幅約6キロメートルのカルデラがあります。この島では活発な火山活動が見られ、そのため、ほとんど草木は生えず、主に岩石が広がっています。地表には、棘状に変形したアア溶岩や、縄状に流れるパホイホイ溶岩が観察されます。

噴火の歴史

フェルナンディナ島は、これまでに多くの噴火を記録しています。1825年には島の歴史上最も大規模な噴火が起こり、船長ベンジャミン・モレルが記録していました。その後、1937年から1938年にも噴火があったほか、1968年にはカルデラが崩壊しました。1988年の噴火では、溶岩がカルデラ湖の形状を変える結果となり、1995年の噴火でも海への溶岩の流出がありました。

2009年4月21日には再び噴火が発生。南斜面で溶岩流が形成され、その活動は20日間に及びました。ただし、島に居住者はおらず、周辺地域への影響は限定的でした。この噴火の際には、島の火山活動に関する観察が行われ、特に野生生物への配慮がなされました。

生態系と生物多様性

フェルナンディナ島は、多様な生態系を有し、特に独特な動植物が生息しています。エスピノサ岬では、数百匹のウミイグアナが溶岩の上で日向ぼっこをし、ガラパゴスリクイグアナもカルデラ内に生息しています。さらに、ガラパゴスゾウガメの固有亜種も観察されたことがありますが、絶滅したと考えられています。

この島には著名な飛べない鵜、ガラパゴスコバネウや、ガラパゴスペンギンも生息しており、特にコバネウの460羽がフェルナンディナ島に住んでいます。ガラパゴスアシカやウミオットセイもこの島に生息し、1991年には新たな陸上哺乳類、ガラパゴスコメネズミ類も発見されました。

自然環境

フェルナンディナ島は、地下火山活動に由来する溶岩で形成されており、特にヨウガンサボテンが目立つほか、沿岸部にはマングローブが広がっています。島では外来種が存在しないため、他の多くの島とは異なり、非常に自然な状態を保っています。このような生態系のため、フェルナンディナ島はガラパゴス諸島内でも特に重要な生物多様性のホットスポットと位置付けられています。

このようにフェルナンディナ島は自然環境の重要さを示す例であり、科学的研究や生態系の保全において注目を浴びている地域となっています。

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