フォルクスワーゲン・サンタナ

サンタナ（Santana）

概要

サンタナは、ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンがかつて生産したセダン型の乗用車です。1980年、パサートがフルモデルチェンジを経て2代目に移行する際、ハッチバックとステーションワゴンの形式が残り、セダンタイプは独立して登場しました。この車両は、パサートの2代目やアウディ・80の2代目と姉妹車という関係にあり、共通のB2プラットフォームを基に設計されています。エンジンは縦置きで、前輪駆動を採用しています。

歴史

ヨーロッパ市場

サンタナは1981年から1984年の間に、西ドイツを含むヨーロッパ諸国で市場に投入されました。この時期、サンタナの姉妹車であるパサートは1988年まで製造されました。

南アメリカ市場

ブラジルにおいては、フォルクスワーゲン・ド・ブラジルによって1984年2月にサンタナが発売されました。このモデルは4ドアセダンと2ドアセダンの両方が存在し、また1991年には外装が第3世代パサートに似た「新型サンタナ」にリニューアルされ、2006年まで生産が続けられました。フォルクスワーゲン・ド・ブラジルは、フォードとの合弁企業でもサンタナをベースにした車両の生産を行っていました。

中国市場

中国では、フォルクスワーゲンと上海汽車の合弁企業、フォルクスワーゲン上海により、サンタナのセダンおよびワゴンモデルが長期にわたり販売されました。初期はノックダウン生産を行いながら、徐々に国産化が進みました。1990年代には、部品の6割を国産化するに至っています。サンタナは多くの特別仕様車を発売し、幅広い用途に対応しました。標準モデルの生産は2012年まで続き、教習車やタクシー、パトカーなどに多く採用されました。

型式とモデル

サンタナ2000

1995年に登場したサンタナ2000は、ブラジルの「Quabtam」をベースにホイールベースを延ばし、後部座席のスペースを確保しました。このモデルでは様々な快適装備が追加され、多くの台数が販売されました。

サンタナ3000

サンタナ2000が生産終了を迎えた後、2004年に発表されたサンタナ3000は、デザインが刷新され、さらに安全機能も強化されました。新たなパワートレインが採用され、乗り心地の向上が図られています。

2代目サンタナ

2012年10月には2代目モデルが発表され、市場に合わせた設計が施されました。新開発エンジンが搭載され、より進化したコンセプトが追求されています。

日本市場

日本では1984年から日産自動車がサンタナのノックダウン生産を開始し、初代M30型が登場しました。販売は順調ではなく、多くの課題を抱えました。日産はサンタナの販売を1991年に終息させ、その後は新たなモデルに移行しました。日本仕様では特定のデザイン変更が加えられ、独自の魅力を持っていました。

まとめ

サンタナは、フォルクスワーゲンの代表的なセダン型車両として多くの市場で受け入れられ、特に中国では長い間国民車としての地位を確立しました。サンタナの生産は1970年代から続き、その名は自動車産業において色褪せることのない存在となっています。

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