フォンダン

フォンダン：菓子作りの万能素材

フォンダンとは、砂糖と水を主成分とする菓子材料です。フランス語のFondant（フォンダン）は「溶ける」という意味を持ち、その名の通り、砂糖を煮詰めて作ることで独特のなめらかさと粘性を得ます。アイシング、フィリング、デコレーションなど、洋菓子作りにおいてはなくてはならない存在と言えるでしょう。

フォンダンの種類と特徴

フォンダンは、その状態や用途によって様々な種類に分けられます。

液状フォンダン

液状フォンダンは、とろりとした液体状のフォンダンです。ケーキのコーティングや、キャンディ、チョコレートの中身など、幅広い用途に使用されます。砂糖と水だけで作れる手軽さも魅力です。代表的な例として、イギリスのチョコレート菓子「キャドバリー・クレーム・エッグ」の中身は、フォンダンを転化糖にしたものを使用しています。また、フォンダンファンシーと呼ばれる、液状フォンダンで覆われたケーキも存在します。

ロールフォンダン

ロールフォンダンは、粘土のように伸ばして使える固めのフォンダンです。ケーキのコーティングなどに用いられ、パイ生地のように薄く延ばして使用します。中でも、マシュマロフォンダンは家庭で手軽に作れることから人気があります。マシュマロ、水、粉砂糖、ショートニングなどを混ぜ合わせて作られるのが特徴です。その他、彫刻に適した硬めのスカルプティングフォンダンなども存在します。

シュガーペーストとガムペースト

シュガーペーストとガムペーストは、ロールフォンダンと同様に伸ばして使うことができますが、完全に固まるという点が異なります。そのため、立体的な飾りを作るのに適しており、ウェディングケーキなど、高度なデコレーションを施す際に用いられます。新郎新婦のフィギアや、大きな花などを表現するのに最適です。シュガーペーストは主に卵白、粉砂糖、ショートニングで作られます。

フォンダンの作り方

基本的なフォンダンの作り方は、砂糖と水を煮詰めて、特定の温度（107～115℃程度）まで加熱することです。この温度帯では、砂糖から細かい泡が立ち、冷やすとわずかに糸を引く状態になります。その後、40℃程度まで冷ましてから、ミキサーや麺棒などで白くなるまで練り上げます。必要に応じて、ゼラチンやグリセリンを加えることで、柔らかさや安定性を高めることも可能です。湯煎で温めながら、白ワインなどで伸ばして使用したり、色付けをして使うこともあります。

フォンダンの活用例

フォンダンの使い方は実に多様性に富んでいます。

アイシング: ケーキやクッキーなどのデコレーションに。
フィリング: ケーキやチョコレートの中身などに。
成型: 花やリボンなど、様々な形の飾りを作るのに。
コーティング: ケーキ全体を覆うコーティングに。

まとめ

フォンダンは、その多様な種類と用途から、菓子作りの世界において非常に重要な役割を担っています。初心者から熟練者まで、多くの製菓愛好家にとって、なくてはならない素材と言えるでしょう。 様々な種類のフォンダンを使いこなすことで、より高度で魅力的なお菓子作りが楽しめることでしょう。

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