フォード・フィエスタWRC

フォード・フィエスタWRC：WRCの歴史に名を刻んだ名車

フォード・フィエスタWRCは、Mスポーツが開発し、2017年から世界ラリー選手権（WRC）に参戦したワールドラリーカーです。2017年型フォード・フィエスタをベースに、2011年から2016年まで活躍したフォード・フィエスタRS WRCの後継モデルとして誕生しました。

輝かしいデビューとタイトル獲得

デビューイヤーである2017年、フィエスタWRCはラリー・モンテカルロでいきなり優勝を飾るなど、その潜在能力の高さを早くから示しました。シーズンを通して5勝を挙げ、セバスチャン・オジェとジュリアン・イングラシア組が2勝、オット・タナクとマルティン・ヤルベオヤ組が2勝、エルフィン・エヴァンスとダニエル・バリット組が1勝という素晴らしい成績を残しました。この活躍により、オジェとイングラシアはドライバーズおよびコドライバーズ選手権で5度目のタイトルを獲得。さらに、Mスポーツは2007年以来となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得するという快挙を達成しました。

強豪ひしめくWRCでの戦い

2018年シーズンは、フォードがセミワークス体制で支援したものの、タナク/ヤルベオヤ組の離脱やリソース不足により、前年ほどの戦闘力は維持できませんでした。そのため、Mスポーツはマニュファクチャラーズ選手権の争いを諦め、オジェ/イングラシア組のドライバーズタイトル獲得に集中する戦略をとりました。シーズン中盤では、ヒュンダイのティエリー・ヌービル/ニコラ・ジルソウル組やトヨタのタナク/ヤルベオヤ組に後れをとる場面もありましたが、オジェ/イングラシア組は粘り強い走りで6年連続のチャンピオンに輝きました。

マシンのポテンシャルの高さを証明

2019年シーズンは、オジェ/イングラシア組が離脱したものの、エヴァンス/スコット・マーティン組がツール・ド・コルスの最終スペシャルステージ（SS）までトップを走行するなど、フィエスタWRCの高いポテンシャルを改めて証明しました。

2020年シーズンには、テーム・スニネン/ヤルモ・レーティネン組がエースドライバーとして活躍。ラリー・メキシコでは、チームメイトがアクシデントに見舞われる中、最後まで完走を果たし、表彰台を獲得しました。

まとめ

フォード・フィエスタWRCは、WRCの歴史にその名を刻んだ一台です。高い戦闘力と、それを最大限に引き出したドライバーたちの活躍により、数々のタイトルを獲得しました。その活躍は、マシンの性能の高さと、チームの戦略、そしてドライバーたちの技量の高さの全てが融合した結果と言えるでしょう。 WRCの歴史において、重要な役割を果たした一台として記憶されています。 今後のWRCの発展にも、大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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