フクム

フクム：輝かしい競走生活と引退への道

フクムは、2017年4月2日生まれのイギリスのサラブレッド競走馬です。ドバイ王族シェイク・ハムダンの所有するシャドウェル・エステートによって生産され、調教師オーウェン・バローズの指導の下、競走生活を送りました。

デビューから頭角を現すまで

2歳時には、デビュー戦で3着とまずまずのスタートを切ると、その後初勝利を収めます。3歳になると、一気に頭角を現し、キングジョージ5世ステークスを制覇。続くジェフリーフリアステークス（G3）でも勝利し、3連勝でグループ競走初制覇を達成しました。しかし、セントレジャーステークス（G1）では5着に敗れ、潜在能力の高さを示唆する結果となりました。

4歳シーズン：G3競走での活躍

4歳シーズンは、ゴードンリチャーズステークス4着と出遅れましたが、タップスターステークス（L）で勝利を収めると勢いを取り戻します。ハードウィックステークス（G2）では3着に終わりながらも、その後シルバーカップ（G3）、ジェフリーフリアステークス（G3）とG3競走で連勝を飾る活躍を見せます。さらにセプテンバーステークス（G3）、カンバーランドロッジステークス（G3）でも好成績を収め、グループ競走4勝目を挙げました。香港国際競走への参戦も検討されましたが、休養を与えるため回避となりました。

5歳シーズン：G1初制覇と負傷

5歳シーズンは、ドバイシティーオブゴールド（G2）で優勝し、G2競走初制覇、グループ競走5勝目を達成します。続くドバイシーマクラシック（G1）では7着と結果を残せませんでしたが、コロネーションカップ（G1）では、前年の覇者パイルドライヴァーを4馬身1/4差で圧倒し、待望のG1初制覇を成し遂げました。しかし、このレース後、後肢の骨折が判明し、残りのシーズンを棒に振ることとなってしまいました。

6歳シーズン：復活と2度目のG1制覇、そして引退

約1年ぶりの復帰戦となったブリガディアジェラードステークス（G3）では見事勝利し、復活を印象付けます。そして、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス（G1）では、ウエストオーバーとの激しい叩き合いの末、アタマ差で勝利し、2度目のG1制覇を達成しました。このレースでの勝利は、関係者にとって大きな喜びとなりました。しかし、鞭の使用回数超過による罰金と騎乗停止処分が科せられました。

その後、凱旋門賞に挑戦するも9着に終わり、2023年10月17日、現役を引退。2024年より北海道日高町のダーレー・ジャパン・スタリオン・コンプレックスで種牡馬として第二のキャリアをスタートさせます。

血統と将来

フクムの1歳下の全弟には、G1競走6勝を挙げたバーイードがいます。祖母ラフドゥードは、アメリカのG1競走であるブリーダーズカップ・フィリー＆メアターフとフラワーボウルステークスを制した名馬です。この優れた血統を受け継ぎ、種牡馬として将来、多くの優秀な競走馬を輩出することが期待されています。フクムの競走生活は、その華麗な走りだけでなく、その血統と将来性からも、競馬史に名を残す存在となるでしょう。

もう一度検索