フジ (チェーンストア)

株式会社フジ：中国・四国地方を代表するスーパーマーケットチェーンの歩み

株式会社フジは、1967年愛媛県松山市に設立されたスーパーマーケットチェーンです。現在はイオングループの一員として、中国・四国地方、および兵庫県に488店舗ものネットワークを展開し、地域社会に密着した事業を展開しています。

創業からイオングループ入りまで

繊維卸売業を営んでいた十和株式会社（現・ヨンドシーホールディングス）の全額出資により設立されたフジは、当初愛媛県に1号店をオープンしました。これは、中国地方に多くの取引先を持っていた十和が、小売業に参入することで取引先との間に不信感を招くことを懸念したためです。その後、1980年代以降に中国地方への本格進出を果たし、着実に店舗数を増やしていきました。

2018年にはイオン株式会社と資本・業務提携を締結、その後イオンがフジの株式を取得し、イオングループ入りを果たします。このことで、既にイオングループに属していた四国地方の競合他社との競争環境が大きく変化、四国におけるイオングループの市場シェアは他社を圧倒的に凌駕する地位を築き上げました。

マックスバリュ西日本との経営統合と事業会社への復帰

2022年3月1日、フジはマックスバリュ西日本株式会社と株式交換を行い、完全子会社化しました。同時に、総合小売事業をフジ・リテイリング株式会社へ承継し、フジ自身は持株会社に移行しました。しかし、2024年3月1日、フジ・リテイリングとマックスバリュ西日本は吸収合併され、フジは事業会社として再スタートを切りました。本社は広島県広島市南区に移転し、マックスバリュ西日本の運営していた店舗も引き継ぎました。このことでフジは、創業時の親会社十和の本拠地であり、マックスバリュ西日本の前身であるみどり（ザ・ビッグ開発元）の本拠地でもある広島市を新たな拠点としました。

多様な店舗ブランドと業態

フジは「フジ」ブランドのスーパーマーケットに加え、「フジグラン」、「パルティ・フジ」、「エフ・マルシェ」など、多様な店舗ブランドと業態を展開しています。「フジグラン」は地域の中核となる大型ショッピングセンター、「パルティ・フジ」は近隣型ショッピングセンターとして、それぞれ地域特性に合わせた形態で営業しています。「エフ・マルシェ」では、地元の農畜水産物を中心に販売することで地域経済の活性化にも貢献しています。

マックスバリュ西日本との合併により、「マックスバリュ」、「マルナカ」、「ザ・ビッグ」といったブランドもフジの傘下に入り、より幅広い顧客層への対応が可能となりました。それぞれのブランドが持つ特徴を活かしつつ、既存のフジブランドと相乗効果を生み出すことで、さらなる発展を目指しています。

独自のポイントカード「エフカ」

フジは1983年から独自のポイントカード「エフカード」を発行しており、2013年には電子マネー機能付きの「エフカ」に刷新しました。「エフカ」は、買い物金額に応じてポイントが付与され、割引券として利用できます。また、クレジット機能付きカードも提供し、様々な特典も用意されています。2024年以降、イオングループとの統合に伴い、イオン銀行がクレジット事業を担うことになり、「エフカ」はポイントカードとしての機能を維持していくことになります。

グループ企業と今後の展望

フジグループは、スーパーマーケット事業以外にも、デリカ製造・販売、青果卸売、クレジットカード事業、旅行業、フィットネス事業など、多様な事業を展開しています。これらの事業を通じて、地域社会への貢献を続けながら、持続的な成長を目指していきます。

フジの今後の展開は、イオングループの一員として、更なる地域密着と顧客満足度の向上に注力し、中四国地方におけるリーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにすることでしょう。

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