フジテレビ系列夕方6時55分枠の帯アニメ

フジテレビ系列夕方6時55分枠のアニメ番組史

フジテレビ系列において、かつて月曜日から土曜日まで18時55分から19時（JST）に放送されていた帯アニメ番組枠の歴史を紐解きます。編成都合により、18時50分から18時55分に放送された番組も合わせて紹介します。

番組枠の黎明期と海外アニメの隆盛

1959年、フジテレビ開局から4ヶ月半後、海外アニメ『進め！ラビット』が放送を開始しました。これがこの時間帯におけるアニメ放送の始まりです。その後も一貫して海外アニメが放送され、『とびだせフィリック』や『マイティ・ハーキュリー』といった、現在でも名作として語り継がれる作品が数多く誕生しました。これらの作品は、多くの子供たちの心を掴み、夕方の時間帯を彩る人気番組となりました。海外アニメの豊かな表現力と魅力的なストーリーは、当時の視聴者に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

国産アニメと特撮への移行

1968年、『ジョニーサイファー』（日米合作）を放送した後、フジテレビ・エンタプライズ制作による国産アニメがスタートしました。放送枠が18時50分に移動する時期もありましたが、計3作品が制作・放送されました。1971年1月1日からは再び18時55分に戻り、タツノコプロ制作のアニメが放送されました。しかし、東宝制作の実写作品『クレクレタコラ』の放送により中断。その後も3作品が制作され、最終的に『ウリクペン救助隊』をもってアニメの放送は事実上終了しました。続くピープロ特撮作品『冒険ロックバット』をもって、子供向け帯番組枠は終了。平日18時30分からはローカルニュース、土曜日は『タイムボカンシリーズ』へと枠が変更されました。ピープロは『ロックバット』終了後、制作スタッフが解散し、その後長らく新作が制作されない状態が続きました。

約50年ぶりの復活と『サザエさん』

2024年4月29日から5月3日にかけて、現在日曜夕方6時台後半枠で放送されている人気番組『サザエさん』の特別版として、『ゴールデン「サザエさん」ウィーク傑作選』が、このかつてのアニメ枠（18時50分～19時00分）にて放送されました。これは、関東ローカル限定の期間限定放送でしたが、約49年ぶりにこの時間帯にアニメ（またはアニメ関連番組）が復活する形となりました。長きに渡り愛され続けている『サザエさん』が、かつてアニメが放送されていた時間帯に再び登場したことは、視聴者にとって感慨深い出来事であったと言えます。

放送作品一覧

この時間帯で放送されたアニメ作品を以下に列挙します。

海外アニメ:

進め！ラビット (1959年7月20日～1960年10月4日)
がんバレ・スパンキー (1960年10月5日～1961年6月28日)
つよいぞラフティ (1961年6月30日～1962年5月14日)
探偵スカット (1962年5月15日～1963年1月3日)
とびだせフィリック（第1期、第2期、第3期）
マイティ・ハーキュリー（第1期、第2期）
シンドバッドの冒険（第1期、第2期）

日米合作アニメ:

ジョニーサイファー (1968年10月21日～1969年3月29日)

フジテレビ・エンタプライズ制作アニメ:

そばかすプッチー (1969年3月31日～10月4日)
ピンチとパンチ (1969年9月29日～1970年3月28日)
いたずら天使チッポちゃん (1970年3月30日～12月31日)

タツノコプロ制作アニメ:

カバトット (1971年1月1日～1972年9月30日)
かいけつタマゴン (1972年10月5日～1973年9月28日)
ウリクペン救助隊 (1974年9月30日～1975年3月29日)

その他:

* ゴールデン「サザエさん」ウィーク傑作選 (2024年4月29日～5月3日)

これらの作品は、それぞれの時代背景や制作技術を反映しており、アニメーション史において貴重な資料となっています。また、明治乳業（現：株式会社明治）や共同テレビジョン、タツノコプロといった企業との関わりも、この番組枠の歴史を語る上で重要な要素です。

この番組枠は、日本のアニメーションの歴史に大きな足跡を残しました。そして、2024年の『サザエさん』特別放送は、その歴史の新たな一章を刻んだと言えるでしょう。

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