フラッシング-メイン・ストリート駅 (IRTフラッシング線)

フラッシング-メイン・ストリート駅

ニューヨーク市クイーンズ区フラッシング地区の中心部に位置する、ニューヨーク市地下鉄の重要な駅です。IRTフラッシング線の北側終点であり、「フラッシング-メイン・ストリート駅」と呼ばれています。日中は7系統、ラッシュ時には急行<7>系統が乗り入れています。「メイン・ストリート駅」や「メイン・ストリート-フラッシング駅」と称されることもあります。

当駅は、ニューヨーク市地下鉄網の中でも特に利用者の多い駅の一つとして知られています。2014年には年間約1,908万人が利用し、これは市全体で12番目、マンハッタン島外では最も多い乗降客数でした。駅周辺は活気にあふれ、特にニューヨーク市有数のアジア人街であるフラッシング・チャイナタウンへの主要な玄関口となっています。

歴史

当駅の建設は、1910年代に推進されたニューヨーク市地下鉄の拡張計画「デュアル・コントラクツ」の一環として行われました。当時のフラッシングは静かな村の様相を呈しており、現在のルーズベルト・アベニューにあたるアミティ・ストリートが主な商業通りでした。

高架駅も検討されましたが、住民反対や不動産価値への影響、主要な通りの拡幅が必要となることから、地下駅として建設されることが決定しました。これにより、フラッシング線で7つしかない地下駅の一つ、クイーンズボロ・プラザ駅より東では唯一の地下駅となりました。駅はオープンカット工法で建設され、1928年1月21日に開業しました。この開業をもって、フラッシング線のクイーンズ区間が全通しました。

駅の開業は、フラッシング地区の中心部の発展に大きく貢献し、商業が活性化し、交通の要衝としての地位を確立しました。利用者数の増加に対応するため、第二次世界大戦後には駅東側に出入口が増設されています。1999年から2000年にかけて行われた大規模な改修工事では、障害を持つアメリカ人法（ADA）に準拠したバリアフリー化が図られ、駅東端のリップマン・プラザ寄りに新しいエントランスホールと入口が設けられました。

その歴史的・文化的価値が認められ、2004年にはアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されています。

駅構造

駅は島式ホーム2面3線を有しています。ホームはルーズベルト・アベニューの道路幅に合わせて、比較的狭くなっています。駅構内には、壁面にモザイクで「MAIN STREET」と記され、ホームのタイルには「M」の文字があしらわれています。

地上には複数の出入口があり、二箇所の改札口へと繋がっています。開業当初からの改札口はホーム中央付近の中二階にあり、24時間駅員が配置されています。一方、新しい改札口はリップマン・プラザの地下約12メートルの深さに位置し、ADA対応のエレベーターやエスカレーター、階段を介して地上部と結ばれています。

ホームの西端には、駅の事務所やフラッシング線の運行を管理する指令所が置かれています。駅の西側で線路は地上に出て、フラッシング川を渡る高架橋へと続いています。

乗り換えとバス路線

フラッシング・メイン・ストリート駅は、近くにあるロングアイランド鉄道（LIRR）の同名駅と合わせて、クイーンズ区内で最も多くのバス路線が乗り入れる重要な交通結節点の一つです。北米でも有数の規模を誇るバス・地下鉄乗り換え拠点となっており、多数のバス路線の起終点または経由地となっています。

延伸計画

過去には、ニューヨーク市地下鉄の拡張構想において、フラッシング線がメイン・ストリートからさらに東へ延伸する計画が存在しましたが、現在に至るまで実現していません。

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