フラニアン

フラニアン（Frasnian）

フラニアンは、約3億8270万年前から3億7220万年前にかけての時代を指し、後期デボン紀を細分化した最初の時期です。この時代は中期デボン紀後期のジベティアンの後に続き、後は後期デボン紀末のファメニアンが来ます。フラニアンはフランスの地質学者ジュール・ゴスレによって1879年に提唱され、1981年に国際層序委員会によって公式に認められました。この名は、ベルギーのフラニアンという地名に由来しています。

層序

フラニアン階の上部は、コノドントの一種であるPalmatolepis triangularisの初出現により定義されます。このことから、フラニアンは重要な地質上のマーカーとなっています。また、フラニアン階は、複数の絶滅事変が重なる後期デボン紀の重要な時期でもあり、多様な生物が生息していました。

重要な出来事

後期デボン紀における主要な大量絶滅では、フラニアン - ファメニアン境界で重要な出来事が発生しました。この地域、特にベルギーではジベンゾフランとカダレンのピークが確認されており、これは海の土砂流入と陸上植生の崩壊を示唆しています。また、この境界では海洋無酸素事変を示す黒色頁岩が多く掘り出されています。

フラニアンにおける放散虫群集は、一時的に繁栄したものの、2002年の研究により全放散虫属の27%はフラニアンの末期に絶滅していた為、実際には大きな変動が起きていたことがわかりました。この時期、Entactinaria亜目が優勢でしたが、フラニアン - ファメニアン境界を境に、Albaillellaria亜目とNassellaria亜目が繁栄することになります。

日本におけるフラニアン

日本でもフラニアンの化石が発見され、特に2018年には岩手県においてその分布が確認されました。ここでの長安寺層からは三葉虫や腕足動物の化石が見つかり、フラニアン階とファメニアン階の存在を示唆しています。特に、キルトスピリファーという化石がこの時代を特定するのに重要です。

北上山地では、放散虫群集がTrilonche minax群集に類似し、この群集はコノドント化石からフラニアン期に位置付けられます。また、放射年代測定により、高知県の鴻ノ森岩体もフラニアン階に相当する年代とされています。これらの発見は、日本におけるフラニアン時代の生物相を理解する上での貴重な資料となっています。

フラニアン期における生物多様性の理解は進んでいるものの、さらなる研究が必要とされています。これにより、当時の地球環境や生態系の変遷について、より深い理解が進むことが期待されます。

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