フランシスコ・セルベーリ

フランシスコ・セルベーリ：12年間のメジャーリーグ人生

フランシスコ・セルベーリは、ベネズエラのカラボボ州バレンシア出身の元プロ野球選手です。1986年3月6日生まれ。主に捕手として、メジャーリーグで12シーズンに渡り活躍しました。愛称は「シスコ」。

意外なキャリアの始まり

セルベーリは、イタリア人の父とベネズエラ人の母の間に生まれました。少年時代は遊撃手、二塁手、投手としてプレーしており、捕手としての経験は全くありませんでした。しかし、ニューヨーク・ヤンキースは、彼の恵まれた体格と強肩に着目し、2003年に捕手転向を条件に契約を結びました。同時に、スイッチヒッターから右打ちに転向しています。この大胆な転身が、彼のメジャーリーグでのキャリアを決定付けることになります。

ヤンキース時代：才能と苦悩

2008年9月、セルベーリはメジャーデビューを果たします。2009年には、イタリア代表としてワールド・ベースボール・クラシック（WBC）に出場。しかし、彼はイタリアへ行った経験がなく、イタリア語もほとんど話せなかったため、複雑な思いを抱えていたと言われています。同年、ヤンキースでは正捕手2人（ホルヘ・ポサダ、ホセ・モリーナ）に次ぐ3番手捕手として活躍し、打率.298という好成績を残しました。その後もレギュラーとして出場機会を増やしていきますが、怪我や故障者リスト入りを繰り返すことになります。2013年にはWBCイタリア代表に選ばれましたが、辞退。同年、打球を右手に受けて骨折するなど、苦しいシーズンを送りました。さらに同年、バイオジェネシス・スキャンダルに巻き込まれ、50試合の出場停止処分を受けるという大きな挫折を経験しました。ヤンキース時代は、才能と苦悩が入り混じった時期だったと言えるでしょう。

パイレーツ時代：正捕手として活躍

2014年オフ、セルベーリはジャスティン・ウィルソンとのトレードでピッツバーグ・パイレーツに移籍します。パイレーツでは、正捕手として活躍し、初めて規定打席に到達しました。2015年には打率.295、7本塁打、43打点と打撃面で好成績を残しましたが、守備面では捕逸や暴投が多く、課題を残しました。2016年には3年3100万ドルの大型契約を結びますが、左手の骨折で長期離脱を余儀なくされます。この年は、打率こそ前年を下回りましたが、選球眼の向上など、新たな一面を見せました。しかし守備面での課題は、依然として残ったままです。2017年には再びWBCイタリア代表として出場しました。

晩年と引退

2019年、パイレーツから自由契約となったセルベーリは、アトランタ・ブレーブス、そしてマイアミ・マーリンズと契約を結びます。マーリンズでは1年200万ドルで契約を結びましたが、故障によりポストシーズンに出場することはできませんでした。そして、2020年10月3日、現役引退を発表しました。

まとめ

フランシスコ・セルベーリは、捕手転向という異色の経歴から始まり、メジャーリーグで12年間プレーした選手です。ヤンキース時代は、才能と怪我に苦しむ時期でありましたが、パイレーツ時代には正捕手として活躍しました。WBCイタリア代表に2度選出されたこと、そしてバイオジェネシス・スキャンダルへの関与など、数々のエピソードを残しました。2020年の引退後も、彼のメジャーリーグでの功績は記憶に残ることでしょう。彼の選手としてのキャリアは、決して順風満帆ではありませんでしたが、その経験は、多くのファンに感動と記憶を与えてくれました。

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