フランシス・プレストン・ブレア・ジュニア

フランシス・プレストン・ブレア・ジュニア

フランシス・プレストン・ブレア・ジュニア（1821年2月19日 - 1875年7月8日）は、アメリカ合衆国の政治家であり、南北戦争の際には北軍の指揮官として重要な役割を果たしました。彼の活動は政治だけでなく、軍事にも及び、アメリカの歴史において影響を与える存在となりました。

若年期の経歴

ブレアはケンタッキー州のレキシントンに生まれ、政治家フランシス・プレストン・ブレア・シニアの子息として育ちました。ワシントンD.C.の学校で教育を受けた後、1841年にプリンストン大学を卒業し、さらにトランシルバニア大学で法律を学びました。法律の資格を得た後は、セントルイスで弁護士としてのキャリアを開始しました。

彼は米墨戦争に参加し、その後ニューメキシコ準州の検事長に任命されます。この頃から、彼は奴隷制に反対する立場を取るようになり、自由土地党の活発なメンバーとしても活動しました。1852年にはアメリカ合衆国下院に選出され、1860年の再選を果たしました。その間、彼は重要な軍事対策委員会の議長を務めました。

南北戦争

南北戦争が勃発する前、ブレアは南部がミズーリ州を脱退に巻き込もうとしていることを危惧し、指導的な行動を取りました。彼は「ワイド・アウェイクス」という私兵部隊から1000名を招集し、緊急事態に備えました。戦闘が迫る中、ブレアはセントルイスの連邦兵器庫に保管されていた武器弾薬をイリノイ州に移動する手配を行い、州防衛軍による武器庫の占拠を阻止しました。この行動により、北軍はミズーリ州における優位性を確保しました。

その後、彼は1862年8月に志願兵部隊の准将に昇進し、11月には少将に昇格します。ブレアはビックスバーグの戦いや第三次チャタヌーガの戦いにおいて師団指揮官としての責任を果たし、ウィリアム・シャーマンの指揮のもとで南部での戦いに参加しました。

南北戦争後の活動

南北戦争を通じて、ブレアは個人の財産を多く失い、破産に至ります。戦争終結後の1866年には、家族とともにレコンストラクション政策に対抗し、これを機に共和党を離脱しました。1868年の大統領選挙では、民主党から副大統領候補として立候補するも、著名な南北戦争の英雄であるユリシーズ・グラントに敗れました。

その後、彼は1871年にミズーリ州議会からアメリカ合衆国上院議員に選出されますが、1873年には再選を果たせませんでした。同年、脳疾患に罹患し、以降の健康状態は悪化し、1875年に亡くなりました。彼の遺体はセントルイス市内のベルファウンテン墓地に埋葬されています。

ブレアハウス

ブレア家の邸宅であったブレアハウスは、1836年に父親によって購入され、1942年にはアメリカ合衆国の大統領迎賓館となりました。この邸宅はホワイトハウスに近接し、フランシス・ジュニアもその生涯の大半をここで過ごしました。

フランシス・プレストン・ブレア・ジュニアは、南北戦争において北軍の勝利に貢献しただけでなく、アメリカの政治史においてもその影響を残した重要な人物です。

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