フランス社会党 (SFIO)

フランス社会党 (SFIO)とは

フランス社会党（SFIO、労働インターナショナル・フランス支部）は、1905年に結成され、1969年まで存在したフランスの社会主義政党です。現在の社会党（PS）の前身であり、フランス社会主義運動の歴史において重要な役割を果たしました。

歴史

前史：社会主義政党の黎明

19世紀後半、第三共和政下のフランスで、社会主義政党が次々と誕生しました。ジュール・ゲードの労働党（POF）、ポール・ブルスのフランス社会主義労働者連盟（FTSF）、ジャン・アルマーヌの革命的社会主義労働党（POSR）、エドゥアール・ヴァイヤンの革命的社会党（PSR）などが設立され、ジャン・ジョレスらの独立社会主義者（SI）も活動していました。しかし、これらの社会主義勢力は分裂・対立を繰り返し、労働運動は政党から離れ、アナーキストやサンディカリストの影響力が拡大しました。

結党と第一次世界大戦

1904年、第二インターナショナルは、社会主義勢力の統一を呼びかけました。これに応じ、1905年にフランス国社会党（PSDF）とフランス社会党（PSF）が合同し、フランス社会党（SFIO）が結成されました。SFIOはマルクス主義の原則を受け入れましたが、実際にはジョレスの改良主義路線が主導権を握りました。

第一次世界大戦の危機が迫る中、ジョレスは戦争阻止を訴えましたが、1914年に暗殺され、党は戦争協力へと傾斜しました。SFIOは戦時内閣に入閣し、神聖同盟に参加しました。

戦間期：分裂と人民戦線

大戦末期、戦争協力への批判が高まり、1920年のトゥール党大会でSFIOは分裂。コミンテルンへの加盟を巡り、多数派はフランス共産党（SFIC）を結成し、少数派はSFIOの名称を維持しました。しかし、SFIOは徐々に勢力を回復し、1936年にはレオン・ブルムを首班とする人民戦線内閣を樹立しました。人民戦線内閣は恐慌対策を進めましたが、スペイン内戦への対応などを巡り、1937年に崩壊しました。

第二次世界大戦と第四共和政

1940年、ナチス・ドイツに敗北したフランスは、ヴィシー政府を樹立。SFIOは再び分裂し、多数派がペタン元帥への全権委任に賛成する中、少数派は対独抵抗を主張しました。ドイツ占領中、多くの党員がレジスタンス運動に参加しました。

戦後、SFIOは第四共和政で連立政権に参加しましたが、1947年に共産党との対立から政権を離脱しました。その後は「第三勢力」として存在感を保ち、1956年にはギー・モレ政権が成立しましたが、アルジェリア独立戦争などで失点を重ねました。

第五共和政と新社会党への移行

ド＝ゴールが政界に復帰すると、SFIOは当初協力しましたが、後に反ド＝ゴールに転じました。1968年の五月革命後、SFIOは新たな社会党の結成を目指し、1969年に新社会党（PS）へと移行しました。

脚注

注釈

出典

参考文献

• - 新田俊三 「フランス社会党」 『現代マルクス＝レーニン主義事典』（下） 社会思想社、1981年
• - 湯村武人 「フランスの社会主義運動」 同上
• - 古賀英三郎 「フランス社会主義」 『社会思想事典』 中央大学出版部、1982年
• - 堀井敏夫 「社会党［フランス］」「労働党［フランス］」 『新編西洋史辞典』 東京創元社、1983年
• - 山極潔 「フランス社会党」 『大百科事典』 平凡社

関連項目

• - フランスの首相
• - フランスの大統領
• - ルシアン・エール
• - エリック・サティ - フランス共産党結党まで社会党員だった。共産党結党と同時に共産党に移籍した。

もう一度検索