フリント島

フリント島：太平洋に浮かぶ孤島の歴史と自然

フリント島は、中部太平洋に位置するキリバス共和国に属する無人島です。ライン諸島の最南端に位置し、キリバスの最南端の島でもあります。その地理的な特徴と、過去の資源開発の歴史、そして現在の保護政策について詳しく見ていきましょう。

地理

フリント島は、タヒチ島の北西約740kmに位置し、同じライン諸島のヴォストック島の南南東約190km、カロリン島（ミレニアム島）の南西約220kmに位置します。島の大きさは、長さ約4km、幅約0.8km、面積は約2.6平方キロメートルです。島の最高地点の海抜は約7.6メートルです。島の周辺は狭い礁に囲まれており、安全な停泊は難しいとされています。

1841年のアメリカ探検隊の記録によると、当時は密生した原生林に覆われていましたが、現在は移植されたココヤシが島の大部分を占めています。

歴史

フリント島は、1521年にフェルディナンド・マゼランの世界一周航海の際に発見されました。当時は「ティブロネス島（サメの島）」と名付けられました。これは、島の周辺で多数のサメが釣られたことに由来します。また、トゥアモトゥ諸島のプカプカ環礁と共に「インフォルトゥナダス諸島（不幸諸島）」とも呼ばれていました。

19世紀には、グアノ資源が発見され、1875年から1880年にかけてホールダー兄弟とその会社によってグアノの採掘が行われました。その後、1881年からはジョン・T・アルンデルとその会社が採掘事業を引き継ぎました。採掘跡は汽水で満たされ、礁湖を形成しました。アルンデルはまた、1881年からココヤシを移植し、コプラの生産を1891年まで行いました。20世紀初頭には、S.R.マクスウェルとその会社に貸し出され、コプラの生産が行われました。

1908年には、カリフォルニア州のリック天文台からの遠征隊がフリント島で皆既日食を観測しました。

環境保護

2014年、キリバス政府は、フリント島を含む南部ライン諸島の島々の周辺12海里を禁漁区に設定しました。これにより、海洋生態系の保護が進められています。無人島であるフリント島は、手付かずの自然が残されており、海洋生物の貴重な生息地となっています。

フリント島は、その地理的な位置、資源開発の歴史、そして現在の環境保護政策によって、独特の景観と生態系を維持している島と言えるでしょう。

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