フルルビプロフェン

フルルビプロフェンとは

フルルビプロフェン（flurbiprofen）は、化学式C15H13FO2で表されるフェニルアルカン酸誘導体の一種です。これは、プロパン酸系の非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）に分類され、主に関節炎に伴う痛みや炎症の緩和を目的として使用されます。

特徴

構造: フェニルアルカン酸誘導体
剤形: 貼付薬、内服薬、静脈注射用製剤
効果: 抗炎症、解熱、鎮痛

フルルビプロフェンは、分子内にキラル中心を持つため、光学異性体（鏡像異性体）が存在します。通常はラセミ体（R体とS体の混合物）として使用されますが、S体のみを取り出したものがエスフルルビプロフェンと呼ばれ、こちらも臨床で使用されています。

エスフルルビプロフェン

エスフルルビプロフェンは、フルルビプロフェンのS体のみからなる化合物です。S体はシクロオキシゲナーゼ（COX）阻害活性を持つため、抗炎症作用を発揮します。日本では、エスフルルビプロフェンを有効成分とする貼付薬が「ロコア」の商品名で販売されています。

作用機序

フルルビプロフェンおよびエスフルルビプロフェンは、シクロオキシゲナーゼ（COX-1およびCOX-2）を阻害することにより、プロスタグランジンの生成を抑制します。プロスタグランジンは、炎症や痛みを引き起こす生理活性物質であるため、その生成を抑えることで、消炎・解熱・鎮痛作用を発揮します。

製品情報

フルルビプロフェンを含む製品としては、以下のものがあります。

貼付薬
アドフィード（リードケミカル、科研製薬）
ステイバン（トクホン、吉富製薬）
ゼポラス（三笠製薬）
内服薬
フロベン（科研製薬）
エスフルルビプロフェン貼付薬
ロコア（大正製薬）
静脈注射用製剤（プロドラッグ）
* ロピオン注（科研製薬）：フルルビプロフェンアキセチルとして販売

副作用

内服薬の場合、胃腸障害などの副作用が現れることがあります。貼付薬の場合、皮膚のかぶれやかゆみなどが生じることがあります。また、エスフルルビプロフェンの貼付薬「ロコア」は、2枚でフルルビプロフェンの内服薬と同程度の薬物濃度に達するため、1日あたりの使用枚数が2枚までに制限されています。

フルルビプロフェンアキセチル

フルルビプロフェンアキセチルは、フルルビプロフェンのプロドラッグであり、体内でフルルビプロフェンに変換されて効果を発揮します。静脈注射用の脂肪懸濁液として、がんの鎮痛などを目的として使用されます。商品名としては、「ロピオン注」などがあります。

注意事項

フルルビプロフェン製剤を使用する際は、医師または薬剤師の指示に従い、用法・用量を守って正しく使用してください。副作用が現れた場合は、速やかに医師または薬剤師に相談してください。

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