ブドウ科

ブドウ科（Vitaceae）

ブドウ科は、ブドウ目に属する科であり、つる性の木本または草本植物で構成されています。これらの植物は、巻きひげまたは吸盤を持ち、多様な環境に適応しています。ブドウ科には、ブドウ、ヤマブドウ、ノブドウ、ツタ、ヤブガラシなどが含まれ、その種類は約15属700種に及びます。

形態と生態

ブドウ科の植物は、単葉（多くは掌状）または複葉を持ち、托葉を備えています。花は放射相称で4-5数性を持ち、子房上位で集散花序または円錐花序を形成します。果実は液果であり、通常4個の種子を含んでいます。

東南アジアに分布するミツバカズラ属の植物は、寄生植物であるラフレシアの寄主となることが知られています。これは、ブドウ科植物の生態系における多様な役割を示す一例です。

分類

ブドウ科は、形態的にクロウメモドキ科に類似する点が多く、以前はクロウメモドキ目に分類されていました。しかし、分子系統学的な研究により、両科が特に近縁ではないことが示され、APG植物分類体系では独立した科として扱われています。また、形態的にブドウ科に似ているものの、直立性で熱帯に分布するウドノキ科も、APG植物分類体系ではブドウ科に含められています。

ブドウ科に分類される主な属は以下の通りです。

Acareosperma
Ampelocissus
ノブドウ属 (Ampelopsis) - ノブドウ、カガミグサなど
ヤブガラシ属 (Cayratia) - ヤブガラシなど
セイシカズラ属（キッスス属）(Cissus) - セイシカズラ、キッスス・シキオイデスなど
Clematicissus
キフォステンマ属 (Cyphostemma) - ブドウガメなど
ツタ属 (Parthenocissus)
Psedera
Rhoicissus
ミツバカズラ属 (Tetrastigma)
ブドウ属 (Vitis) - ブドウ、ヤマブドウ、エビヅルなど
Yua
ウドノキ属 (Leea)

クロンキスト体系では、ウドノキ科は独立した科として扱われていましたが、APG植物分類体系ではブドウ科に統合されました。

人間との関わり

ブドウ科の植物は、人間にとって重要な資源となっています。ブドウは果樹として広く栽培され、生食用のほか、ワインやジュースなどの加工品として利用されています。また、ツタやその他の種は、園芸用として栽培され、庭園や建造物を美しく飾ります。

ブドウ科の植物は、食用や観賞用としての価値だけでなく、生態系においても重要な役割を果たしています。これらの植物は、多くの動物にとって食料や生息場所を提供し、生物多様性の維持に貢献しています。

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