ブライアン・ベリー

ブライアン・J・L・ベリー

ブライアン・ジョー・ロブレー・ベリー（Brian Joe Lobley Berry、1934年2月16日 - ）は、イギリス生まれのアメリカ合衆国の人文地理学者です。彼は、テキサス大学ダラス校のロイド・ヴィール・バークナー記念講座の大学教授を務めています。

1960年代、ベリーは都市研究と地域研究の分野で社会科学革命を主導し、その後の四半世紀にわたり、地理学界で最も引用される研究者の一人となりました。彼の研究は、地理学における計量的なアプローチを推進し、社会科学的な視点を取り入れたことで知られています。

生い立ちと教育

ベリーはイギリスのスタッフォードシャー州セッジリーで生まれました。ゲインズバラのクイーン・エリザベス高校とミドルセックス州のアクトン・カウンティ・グラマースクールで学び、1955年にロンドン大学ユニヴァーシティ・カレッジを卒業し、経済学の学士号を取得しました。

大学卒業後、ベリーはアメリカに渡り、ワシントン大学の大学院に進学しました。当時「計量革命」のリーダー的存在であった地理学者ウィリアム・ギャリソンの指導を受け、1956年に修士号、1958年に博士号を取得しました。

キャリア

博士号取得後、ベリーはシカゴ大学の教授に就任し、1976年までその職を務めました。シカゴ大学在籍中に、都市研究と地域研究の分野で地理学における社会科学革命を加速させ、長年にわたり最も影響力のある地理学者の一人として活躍しました。その後、彼の研究は、長期波動の動態、経済発展のマクロ歴史的な移行、政治的行動との関連へと広がっていきました。

1976年から1981年まで、ベリーはハーバード大学の教授を務め、その後5年間はカーネギーメロン大学のハインツ・スクールの学部長を務めました。1986年からはテキサス大学ダラス校に移籍し、現在に至るまで同校に在籍しています。

受賞歴と栄誉

ベリーは、1975年に米国科学アカデミーの会員に選出されました。また、英国学士院、アメリカ芸術科学アカデミー、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのフェローでもあります。1988年には王立地理学協会からヴィクトリア・メダルを授与され、1999年には米国科学アカデミーの評議員に任命されました。さらに、2004年にはテキサス医学・工学・科学アカデミーの創設メンバーの一人となりました。

研究業績

ベリーは500点以上の著書や論文を発表しており、先進国と発展途上国における都市開発や地域開発に携わり、理論と実践を結びつける研究を行っています。彼の研究は、都市の構造、経済地理学、地域計画など多岐にわたります。

日本語訳のある主な著書

『小売業・サービス業の地理学―市場センターと小売流通』（1970年、大明堂）
『都市化の人間的結果―20世紀の都市が経験した多様な道程』（1976年、鹿島出版会）
『小売立地の理論と応用』（1992年、大明堂）
『景気の長波と政治行動』（1995年、亜紀書房）

参考文献

三橋節子 (1997) : 20世紀の地理学者たち 第31回 ブライアン・ベリー．地理 42(11), 古今書院, pp.82-95．
ブライアン・J・L・ベリー（矢野桂司 訳）(2008):考えていることを声に出す．ピーター・グールド、フォレスト・ピッツ編（杉浦芳夫監訳）『地理学の声—アメリカ地理学者の自伝エッセイ集』古今書院，pp.1-27．

外部リンク

* テキサス大学ダラス校の経済・政治・政策学部ウェブサイトのブライアン・J・L・ベリー紹介ページ

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