ブラウザホン633S

「ブラウザホン633S」は、2001年12月3日にNTTドコモから発売されたPHS端末です。シャープによって開発され、当時の携帯電話に匹敵する機能を備えていました。1.9インチの65536色GFカラー液晶は鮮やかで、着信メロディは32和音に対応し、豊かな音楽体験を提供しました。ドコモのPHSとしては初の折りたたみ式端末であり、コンパクトさと使いやすさを両立させています。

この端末の最大の特徴は、PHS端末として初めてBluetoothを搭載した点です。対応プロファイルはGAP/SDAP/SPP/DUN/GOEP/OPPと多岐にわたり、「電話サービス、データ交換」という表示で利用できました。当時、日本国内の携帯電話を含めてもauのC413Sに次ぐ2例目であり、画期的なものでした。なお、Bluetooth機能を省いた「ブラウザホン642S」が2ヶ月後に発売されました。ドコモがBluetooth対応の音声端末を再び発売するのは2004年まで待つ必要があり、「ブラウザホン633S」はBluetoothダイヤルアップが可能な唯一の端末として、長らく人気を博しました。

ブラウザ機能については、前機種の641Ss/Sfから引き続き、mopera接続だけでなく、一般のインターネットサービスプロバイダへの接続も可能でした。mopera経由では1分15円、一般プロバイダ経由では昼間1分10円、夜間90秒10円で接続できましたが、ドコモの提供するメニューはmopera経由のみで利用可能でした。

メール機能に関しては、従来の機種と同様にパルディオEメールに対応しており、最大10000文字までのメールを送受信できました。着信と同時にメールが送信されないという仕様を補うため、通話終了後に自動でメールを読み込む機能や、タイマーによる定期的なメールチェック機能も搭載されました。さらに、POP3やSMTPなどの外部メールにも対応し、多様なメール環境に対応しました。

「ブラウザホン633S」の主な仕様は以下の通りです。

形状：折りたたみ式
サイズ：幅49mm×高さ93mm×奥行26mm
重量：99g
連続通話時間：約450分
連続待受時間：約550時間
ディスプレイ：120×160ドット1.9インチ、65536色GFカラー液晶
カメラ：なし
外部メモリー：なし
カラー：グレースシルバー


発売までの経緯は以下の通りです。

2001年9月13日：電気通信端末機器審査協会 (JATE)通過（A01-0752JP・「SHP0006」として）
2001年11月28日：ドコモより発売を発表
2001年12月3日：発売開始


「ブラウザホン633S」は、その先進的な機能と使いやすさから多くのユーザーに支持され、当時のPHS市場において重要な役割を果たしました。また、Bluetooth搭載という点で、その後の携帯電話の進化にも大きな影響を与えたと言えるでしょう。

関連情報として、「ブラウザホン642S」も合わせて参照すると、より理解が深まります。また、以下の外部リンクも参考になります。

ブラウザホン　633S - ウェイバックマシン（2001年12月3日アーカイブ分）
“ケータイカタログ”. ケータイWatch. (2002年4月5日).
* “NTTドコモ、Bluetooth搭載PHS『パルディオ 633S』を発売”. ASCII.jp. (2001年11月28日).

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