パルディオEメール

パルディオEメールは、NTTドコモがかつて提供していたPHS（Personal Handy-phone System）向けのEメールサービスです。1998年3月1日にNTTパーソナル中央管内でサービスが開始され、その後NTTドコモに引き継がれました。当初は、スーパーパルディオ551Sのみが対応しており、他の端末ではパソコンに専用ソフト「パルディオメ～ラ～」や「パルディオ・Eボード」を接続して利用する必要がありました。しかし、1999年8月に発売されたEメールパルディオ621SおよびEメールパルディオ622Sからは、端末単体で標準機能としてEメールが利用できるようになりました。

メール受信に関しては、自動受信機能は搭載されておらず、ユーザーが手動で操作する必要がありました。この課題に対応するため、2002年にはメール受信通知機能や、ブラウザホン633S、ブラウザホン642Sではタイマー受信機能が導入されました。また、パルディオEメールの機能拡充に伴い、同時期に「きゃらメール」サービスが終了しています。

料金体系は、送受信ともに通信時間10秒あたり7円がかかりました。メールが届いていない状態での受信には料金は発生しませんでした。

送受信可能な文字数については、パソコンに「パルディオメ～ラ～」をインストールしている場合は、最大10,000文字（全角）までのメールを送受信できました。端末単体での送受信文字数は機種によって異なり、ブラウザホン633Sと642Sでは最大10,000文字、Lookwalk P751vやWRISTOMOでは3,000文字、その他の多くの機種では2,000文字、一部の初期機種では1,500文字が上限でした。これらの機種の送受信文字数は、当時のmovaのiモードメールを上回るものでした。

具体的な機種ごとの送受信文字数の上限は以下の通りです。

10,000文字（全角）: ブラウザホン633S、ブラウザホン642S
3,000文字（全角）: Lookwalk P751v、WRISTOMO
2,000文字（全角）: ブラウザホン641P、641P-II、641Ss、641Sf、パルディオ631S、632P、Eメールパルディオ621S、622S、パルディオ テラ623N、623P、Picwalk SH712m
1,500文字（全角）: ドッチーモP821i、ドッチーモSH821i、スーパーパルディオ551S

メールアドレスは、サービス開始当初は「[email protected]」とPHSの電話番号がそのまま利用されていました。その後、200?年?月（正確な時期は不明）より、「（10文字までの英数字）@mb2.em.nttpnet.ne.jp」に変更可能になりました。さらに2001年9月27日には、初期配布アドレスがランダムな英数字による「@***.em.nttpnet.ne.jp」に変更され、電話番号を基にしたアドレスの割り当ては終了しました。

「パルディオメ～ラ～」は、パルディオEメールを利用するためのパソコン用ソフトウェアで、Windows版やWindows CE版などが提供されていました。このソフトウェアは無料で利用できましたが、NTTドコモのPHS回線からの通信のみに限定されていました。

関連サービスとしては、NTTドコモの携帯電話向けインターネットサービスであるiモードメール、iモード.net、ドコモWebメールなどが挙げられます。

パルディオEメールは、PHSが普及した時代において、携帯メールの黎明期を支えたサービスの一つでしたが、現在はサービスを終了しています。

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