ブラウンソン (DD-518)

ブラウンソン (USS Brownson, DD-518) の概要

ブラウンソン（USS Brownson, DD-518）は、アメリカ海軍に所属するフレッチャー級駆逐艦です。この艦の名前はウィラード・H・ブラウンソン少将に由来しており、特に「スクエア・ブリッジ」と呼ばれる大型艦橋を持つ最初の艦として知られています。このデザインにより、従来の艦の視界を改善し、艦の運用に大きな利点をもたらしました。

艦歴

ブラウンソンは1942年2月15日、ニューヨーク州スタテンアイランドのベスレヘム・スチール社で起工されました。その後、同年の9月24日にクレランド・S・バクスター夫人によって命名され、進水し、1943年2月3日にJ・B・マーヘル少佐の指揮の下で正式に就役しました。

艦は就役以来、大西洋と太平洋の両海域で任務を遂行しました。1943年6月11日までは主に北東海岸で活動し、北大西洋において船団護衛や対潜哨戒の任務に従事しました。また、1943年5月12日から31日には北アフリカにも寄港しました。

1943年6月18日にはパナマ運河を通過し、28日にカリフォルニア州に到着。ここで短期間活動を行った後、7月にはアラスカに向け出航しました。アラスカ到着後は1943年11月29日まで哨戒と船団護衛にあたりました。

その後、艦は真珠湾を経て南西太平洋に向かい、ビスマルク諸島での戦闘支援を行い、日本軍に対して圧倒的な優位を確立しました。

沈没

しかし、1943年12月26日、ニューブリテン島のグロスター岬への上陸支援の最中に、日本軍の急降下爆撃機からの攻撃を受けました。艦に対する爆撃は午後2時42分に行われ、艦は中心線の右舷に2発の爆弾を受けました。これにより、艦は深刻な損傷を負い、激しい爆発が発生しました。爆発の影響で艦は右舷に10度から15度傾斜し、艦中央部が急速に沈下し、艦首と艦尾が持ち上がりました。

救命筏が展開され、午後2時50分には艦の放棄が命じられましたが、その時点で艦の中央部分は完全に水没していたため、生存者たちは非常に困難な状況に置かれていました。

最終的に艦は午後2時59分に沈没し、乗組員の内108名が命を落としました。残った乗組員は、他の艦艇であるダリー（USS Daly, DD-519）やラムソン（USS Lamson, DD-367）によって救助されました。沈没した位置は南緯5度20分、東経148度25分であり、この日は日本軍が航空攻撃を行っていたため、多くの艦船が危険にさらされていました。

ブラウンソンはその戦歴において、第二次世界大戦の戦功を称えられ、1個の従軍星章を授与されました。

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