ブラディミール・ゲレーロ

ブラディミール・ゲレーロの野球人生

ブラディミール・アルビーノ・ゲレーロ（1975年2月9日生まれ）は、ドミニカ共和国ペラビア州ニサオ出身の元プロ野球選手です。ポジションは外野手で、右投げ右打ちの選手です。愛称には「ブラッド」をはじめ、「ブラッド・ザ・インペーラー」と呼ばれることもあります。彼には同名の息子が存在し、息子の活躍により「ブラディミール・ゲレーロ・シニア」という表現も使われるようになりました。

ゲレーロは主にモントリオール・エクスポズやロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムで活躍し、特に2004年にはアメリカンリーグのMVPを獲得しました。また、2018年にはドミニカ共和国出身の野手として初めてアメリカ野球殿堂入りを果たしました。

経歴

プロ入りとエクスポズ時代

ゲレーロは16歳でロサンゼルス・ドジャースのアカデミーのテストを受けるも不合格となり、その後テキサス・レンジャーズでも同様でした。しかし、モントリオール・エクスポズが彼の才能に目をつけ、1993年にドラフト外で入団します。

マイナーリーグでは1995、1996年と2年連続で球団の最優秀選手に選ばれ、1996年の成績でAA級ハリスバーグ・セネターズでは打率.360を記録し、新人選手としての栄誉を受けました。そして1997年にはメジャーデビューを果たし、以後はエクスポズでの活躍が続きます。

1998年には球団新記録となる38本塁打を放ち、1999年には初のオールスター選出を果たしました。続くシーズンも数々の記録を達成し、特に2002年には206安打を記録し、リーグ最多の打撃成績を収めました。

エンゼルス時代

2004年にアナハイム・エンゼルスと5年総額7,000万ドルの契約を結び、ここでも輝かしい成績を残しました。その年には打率.337、39本塁打、126打点を記録し、リーグでの得点王にも輝きました。ゲレーロはシーズンMVPにも選ばれ、チームの地区優勝に貢献しました。2007年にはMLBホームランダービーで優勝するなど、強打者としての地位を確立しました。

レンジャーズ、オリオールズ時代

2010年にはテキサス・レンジャーズに移籍し、その後ボルチモア・オリオールズにも在籍しました。オリオールズ在籍中にはドミニカ共和国出身選手としての安打数記録を更新し、フリオ・フランコを上回る結果を残しました。

引退後

2012年には故郷でプレーし、2013年にはアトランティックリーグのチームで契約を結びましたが、同年9月には引退を発表しました。2017年にはカナダ野球殿堂、2018年にはアメリカ野球殿堂入りを果たします。

選手としての特徴

打撃

ゲレーロは2000年代のMLBを代表する強打者の一人として通算8度のシルバースラッガー賞を受賞しました。特筆すべきは、非常に少ない球種でヒットを打ち取る「バッドボール・ヒッター」として知られる点です。技術的には見事なストライクゾーンの認識を持ち、逆方向にも流す打撃力を持つ選手でした。

走塁

俊足でも知られ、2001年には34本塁打・37盗塁、2002年には39本塁打・40盗塁を記録し、30-30クラブにも名を連ねました。

守備

外野手としては非常に強肩で、その強肩からの送球は「バズーカ」とも称されましたが、コントロールが甘く、失策も多く見られました。それでも、その長打力と俊足で現役時代に大きな影響を与えた選手でした。

ゲレーロは8人の子供を持つ父親でもあります。彼の野球キャリアは、単なる数々の記録だけでなく、スポーツ界への影響や家族への愛をもって語られています。

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