ブリストー方面作戦

ブリストー方面作戦の詳細

ブリストー方面作戦は、1863年10月から11月にかけて、南北戦争の東部戦線におけるバージニア州で繰り広げられた一連の戦闘です。この作戦は、北軍のポトマック軍を率いるジョージ・ミード少将と、南軍の北バージニア軍を指揮するロバート・E・リー将軍の間で展開されました。ミードはリー軍を打ち破ることを目指しましたが、結果として決定的な勝利を得ることはできませんでした。この作戦は、ポトマック軍が遂行した数多くの作戦の中でも、比較的注目されることの少ないものでした。

作戦の背景

7月のゲティスバーグの戦いの後、リーはポトマック川を越えてバージニア州へと撤退し、オレンジ郡のラピダン川の背後に軍を集結させました。ミードはリー軍を積極的に追撃しなかったため、多くの批判を浴びました。この状況を打開するため、ミードは新たな攻撃作戦を立案しました。

9月初旬、リーはジェイムズ・ロングストリート軍団から2個師団をジョージア州へ派遣し、南軍を増援しました。ミードは、この機会にリー軍の戦力が弱まったと判断し、攻勢に出ることを決意しました。8月にはラッパハノック川まで進軍し、9月13日にはラピダン川沿いのリー軍と対峙し、カルペパー・コートハウスの戦いを経てカルペパーを占領しました。ミードは戦力的な優位を活かし、チャンセラーズヴィルの戦いでのフッカー少将の作戦に似た迂回作戦を計画しました。しかし、9月24日、西部戦線のチカマウガの戦いでの北軍の敗北を受け、第11軍団と第12軍団をチャタヌーガに派遣する必要が生じ、北軍の戦力も低下しました。

リーは、北軍の戦力が減少したことを察知し、10月初旬に2個軍団でシーダー山を迂回する攻撃を開始し、ミード軍の右翼を突こうとしました。ミードはまだ戦力的に優位であったものの、ポトマック軍にオレンジ・アンド・アレクサンドリア鉄道の線路まで後退するよう命じました。

戦闘の経過

ブリストー方面作戦では、以下の戦闘が行われました。

第一次オーバーンの戦い（10月13日）

南軍のJ・E・B・スチュアート少将は、いつものように輜重隊を狙った襲撃を行い、ウォーレントン付近で北軍第3軍団の後衛に迷い込みました。リチャード・イーウェル中将の軍団が救援に送られましたが、スチュアートは第3軍団が気づかずに撤退するまで、騎兵を樹木が茂った峡谷に隠し、支援を必要としませんでした。

第二次オーバーンの戦い（10月14日）

北軍がマナサスの鉄道結節点まで退いたため、ミードは包囲されることを避けるために西側の側面を厳重に守りました。ガバヌーア・ウォーレン少将の第2軍団の複数の旅団が、オーバーン付近でスチュアートの騎兵隊とハリー・ヘイズ准将の師団と後衛戦を展開しました。スチュアートの騎兵隊はウォーレンの歩兵隊を翻弄しましたが、大きな被害は避けられました。第2軍団はオレンジ・アンド・アレクサンドリア鉄道のカトレット駅まで進出しました。

ブリストー駅の戦い（10月14日）

A・P・ヒル中将の軍団は、ブリストー駅で撤退する北軍の2個軍団に遭遇し、十分な偵察を行わないまま攻撃を仕掛けました。北軍第2軍団の兵士は、オレンジ・アンド・アレクサンドリア鉄道の土塁の背後に陣取り、ハリー・ヘイズ准将の師団の2個旅団を壊滅させ、砲兵1個大隊を捕獲しました。ヒルは戦線を補強しましたが、北軍の決死の防御により、ほとんど前進することができませんでした。この勝利の後、ミードは妨害を受けることなくセンタービルまでの撤退を続けました。リー軍のブリストーでの攻勢は、早すぎる中断となりました。ミードは防御を固め、リー軍は物資が不足し始めていました。

バックランドミルズの戦い（10月19日）

ブリストー駅での敗北とセンタービルでの頓挫した進軍の後、スチュアートの騎兵隊はマナサスの鉄道結節点付近からリー軍が撤退するのを掩護しました。北軍ジャドソン・キルパトリック准将の騎兵隊はウォーレントン・ターンパイクに沿ってスチュアートの騎兵隊を追撃しましたが、チェストナットヒル近くで待ち伏せに遭い、撃退されました。北軍の騎兵は散り散りになり、5マイル（約8キロメートル）も追跡され、この事件は後に「バックランド・レイシズ」として知られるようになりました。

第二次ラッパハノック駅の戦い（11月7日）

リー軍はラッパハノック川の背後の元の位置に戻りましたが、北岸に要塞化された橋頭堡を保持し、ケリーの浅瀬への接近を阻止していました。11月7日、ミードは2箇所でラッパハノック川を強行渡河しようとしました。ジョン・セジウィック少将の第6軍団による夕暮れ時の奇襲により、南軍のラッパハノック駅の橋頭堡を圧倒し、ジュバル・アーリー少将の師団から2個旅団（1600名以上）を捕虜にしました。ケリーの浅瀬での戦闘は激しいものではありませんでしたが、南軍は撤退し、北軍が渡河することを許しました。

戦闘の結果

リー軍はカルペパー周辺の冬季宿営地に向かう予定でしたが、代わりにラピダン川の南、オレンジ郡に撤退しました。ポトマック軍はブランディ駅やカルペパー郡の近郊を占領しました。リーとその将校たちは、作戦が成功しなかったことに失望しました。

ブリストー方面作戦における5つの戦闘の結果、両軍合わせて3,910名の損害が出ました。これには南軍の1,600名の捕虜が含まれています。この作戦の後、11月下旬にはマイン・ランの戦いが繰り広げられましたが、こちらも決着がつかないまま終わりました。

この一連の戦闘は、南北戦争における東部戦線の膠着状態を象徴するものであり、両軍共に決定的な勝利を得ることができませんでした。

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