ポトマック軍

ポトマック軍とは

ポトマック軍（Army of the Potomac）は、南北戦争における北[[軍]]の主力部隊として、東部戦線で重要な役割を果たしました。1861年に創設され、幾度かの再編や指揮官の交代を経て、最終的に北[[軍]]の勝利に大きく貢献しました。

歴史

ポトマック軍は、1861年に北東バージニア軍管区を中核として編成されました。当初は「軍」という名称でありながら、その規模は後の「軍団」程度でした。創設当初の指揮官はアービン・マクドウェル准将でしたが、第一次ブルランの戦いでの敗北後、ジョージ・マクレラン少将が指揮を引き継ぎ、部隊の規模を拡大しました。

1861年7月26日には、シェナンドー軍管区も加わり、正式に「ポトマック軍」と命名されました。その後も、バルチモア師団などが加わり、戦力は増強されました。1862年3月には軍団制が導入され、5つの軍団に再編されました。

ポトマック軍は、東バージニア、メリーランド、ペンシルバニアなど、東部戦線の主要な戦いに参加しました。1862年には、リッチモンド攻略を目指す半島方面作戦を展開しましたが、南軍の反撃に遭い失敗に終わりました。その後、第二次ブルランの戦いで北[[軍]]は敗北し、ポトマック軍の一部はバージニア軍に編入されました。

マクレランは、アンティータムの戦いでリー将軍率いる南軍に勝利し、この勝利が奴隷解放宣言を出すきっかけとなりました。しかし、リンカーン大統領はマクレランの消極的な姿勢を問題視し、アンブローズ・バーンサイド少将を後任の司令官に任命しました。

その後、バーンサイドはフレデリックスバーグの戦いで敗北し、ジョセフ・フッカー少将が司令官となりました。フッカーは騎兵軍団を組織しましたが、チャンセラーズヴィルの戦いでリー将軍に敗れました。その後、ジョージ・ミード少将が司令官となり、ゲティスバーグの戦いで南軍に勝利しました。この勝利は、東部戦線における戦況の転換点となりました。

1864年3月には、ユリシーズ・グラント中将が北[[軍]]全体の指揮を執ることになり、ポトマック軍司令部に作戦本部を置きました。ミードは引き続きポトマック軍の司令官を務めましたが、実質的な指揮はグラントが執りました。グラントは、荒野の戦いやスポットシルバニア・コートハウスの戦いで大きな損害を出しながらも、南軍を押し続けました。そして、ピーターズバーグ包囲戦を経て、リー将軍をアポマトックス・コートハウスで降伏させました。

ポトマック軍は、1865年5月の大観閲式に参加し、6月28日に解散しました。

著名な部隊

ポトマック軍は、その活動地域が北部の主要都市に近かったこともあり、メディアへの露出が多く、構成部隊も有名になりました。

特に有名な部隊としては、アイリッシュ旅団、フィラデルフィア旅団、第一ニュージャージー旅団、バーモント旅団、アイアン旅団などが挙げられます。

軍団

1862年3月、リンカーン大統領はポトマック軍に軍団を編成しました。当初は、第1軍団から第5軍団が編成されましたが、半島方面作戦の前に第1軍団と第5軍団がポトマック軍から外されたため、新たに第5軍団と第6軍団が編成されました。

ポトマック軍に所属したことがある軍団としては、第1軍団から第6軍団に加え、第9軍団、第11軍団、第12軍団があります。また、騎兵軍団も編成されました。ただし、これらの軍団が常にポトマック軍の傘下にあったわけではなく、一部は他の軍管区に所属したり、他の方面に転出したりしました。

司令官

ポトマック軍の主な司令官は以下の通りです。

アービン・マクドウェル准将（1861年5月27日-1861年7月25日）
ジョージ・マクレラン少将（1861年7月26日-1862年11月9日）
アンブローズ・バーンサイド少将（1862年11月9日-1863年1月26日）
ジョセフ・フッカー少将（1863年1月26日-1863年6月28日）
ジョージ・ミード少将（1863年6月28日-1865年6月28日）

また、ユリシーズ・グラント中将は、1864年5月から1865年4月にかけて、自身の司令部をポトマック軍司令部に置き、ミードに指示を出していました。

主要な戦闘

ポトマック軍が参加した主な戦闘は以下の通りです。

第一次ブルランの戦い
半島方面作戦（七日間の戦いを含む）
北バージニア方面作戦（第二次ブルランの戦いを含む）
メリーランド方面作戦（アンティータムの戦いを含む）
フレデリックスバーグの戦い
チャンセラーズヴィルの戦い
ゲティスバーグ方面作戦
ブリストー方面作戦
マイン・ランの戦い
オーバーランド方面作戦
リッチモンド・ピーターズバーグ方面作戦（クレーターの戦いを含む）
* アポマトックス方面作戦（アポマトックス・コートハウスでのリーの降伏を含む）

ポトマック軍は、幾多の困難を乗り越え、北[[軍]]の勝利に大きく貢献しました。その歴史は、アメリカ南北戦争における重要な側面を理解する上で欠かせないものです。

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