ブリムストーン (ミサイル)

ブリムストーン（Brimstone）

ブリムストーンは、MBDA社が開発した高精度空対地ミサイルであり、主にイギリス空軍で運用されています。このミサイルは、ミリ波誘導技術に基づいたもので、2005年から正式に配備が始まりました。特に注目すべき点は、その高い命中精度とスタンドオフ攻撃能力です。

開発の背景

ブリムストーンの開発は、湾岸戦争の教訓から始まりました。この戦争から、イギリス空軍はクラスター爆弾ではなく、遠距離から対戦車目標を攻撃できる兵器を求めるようになりました。これに応じて、1996年にマルコーニ社が開発に着手し、その後MBDA社の一部門としてプロジェクトが続けられました。

働きかけた設計と機能

ブリムストーンミサイルは、アメリカのAGM-114ヘルファイアミサイルを設計の参考にしていますが、ロケットモーターや誘導装置、弾頭は新たに独自に開発されたものです。このミサイルはアクティブ・レーダー・ホーミング誘導方式を採用しており、打ちっ放しの能力も持っています。弾頭には、爆発反応装甲に対応したタンデムHEAT弾頭が使用されており、戦闘能力が非常に高いのが特徴です。

また、後にレーザー誘導シーカーが追加され、デュアルシーカー技術が導入されました。これにより、ミサイルはレーダーとレーザーの両方を用いるか、必要に応じて片方だけを使用することが可能になります。

射程と派生モデル

ブリムストーンの射程は60km以上に延長され、ブリムストーンIIとして進化しました。この派生モデルは、SPEAR 2（Selective Precision Effects At Range Capability 2）プログラムに統合され、さらなる改良が施されたSPEAR 3へと発展しました。

使用実績

2022年には、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、イギリスからウクライナにブリムストーンミサイルが供与されました。この事例は、現代の紛争における高精度の兵器の重要性を示すものとなっています。

搭載機

ブリムストーンは、様々な航空機に搭載可能です。代表的な搭載機としては、ユーロファイター タイフーン、トーネード IDS、ハリアーGR.9/9A、F-35B、WAH-64 アパッチ、そしてチャレンジャー2 ストリートファイター2などがあります。特に、ユーロファイター タイフーンでは、三連装ランチャー6基を装備し、視程外射程の空対空ミサイルや短距離空対空ミサイルとともに運用される例もあります。

おわりに

ブリムストーンは、現代の戦闘において欠かせない高精度の空対地攻撃能力を持つミサイルです。その運用能力の高さと優れた設計により、今後も様々な戦場での活躍が期待される兵器です。

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