ブルゴーニュ派

ブルゴーニュ派の概要

ブルゴーニュ派（フランス語: Bourguignons）は、百年戦争の時代、フランスにおいて存在した重要な派閥です。この派閥はフランス王家のヴァロワ系の分家であるヴァロワ＝ブルゴーニュ家によって指導され、主にブルゴーニュ公国を拠点にしました。ブルゴーニュ派は同時代のアルマニャック派と激しい権力争いを展開しました。

起源

フランス王シャルル6世が1392年に精神的な病に罹ってしまうと、政治の実権を巡ってオルレアン公ルイとブルゴーニュ公フィリップ2世（豪胆公）が対立を始めました。豪胆公の在任中は主に宮廷内での争いにとどまっていましたが、彼の死後、息子のジャン1世（無怖公）が1407年にオルレアン公ルイを暗殺することによって、事態はさらに悪化しました。この事件を契機に、オルレアン公の遺児であるシャルルや父の友であるアルマニャック伯ベルナール7世、ベリー公ジャン1世が連合してジアン同盟（アルマニャック派）を結成し、無怖公との全面的な対決に突入しました。

ブルゴーニュ派には、無怖公と縁のあるヴィッテルスバッハ家、ナバラ王カルロス3世など多くの外国王族の支持がありました。また、無怖公はアルマニャック派に対抗するため、市民の支持を集めていました。この結果、パリ市民はカボシュと呼ばれる屠殺業者やパリ大学と結びつくようになり、無怖公はパリの支配を確立しました。

イングランドとの連携

1411年に始まった内戦において、無怖公は最初はイングランドから支援を受ける形で優位に立ち、パリを占拠し、王と王妃、王太子を手中に収めることに成功しました。しかし、1413年に市民の不満が爆発し、アルマニャック派が再びパリを制圧したため、無怖公は一時退却を余儀なくされました。その後、アルマニャック派はブルゴーニュ派の拠点を攻撃し、一時的に勝利を収めましたが、イングランドの脅威が迫っていたため、両派は何度も和睦と再戦を繰り返しました。

1515年、イングランド王ヘンリー5世がフランスに軍を送ると、アルマニャック派はアジャンクールの戦いで大敗し、主力戦力を失いました。この後、無怖公はアルマニャック派との協議を試みましたが、1419年に暗殺され、息子フィリップ3世（善良公）が後を継ぐこととなりました。善良公はイングランドと連携を強め、トロワ条約を締結しましたが、彼自身はフランスとの戦争には消極的でした。

その後、善良公はアルマニャック派に接近し、和睦への道を探るようになります。1428年には、ネーデルラントの相続問題が解決し、善良公に新たな機会が開かれました。1430年には、アルマニャック派との必要な和解のため、協議が続けられました。1435年にヌヴェールで合意に達し、以降ブルゴーニュ派とアルマニャック派の争いは終息しました。

結論

ブルゴーニュ派はその後もフランスの多くの局面において重要な役割を果たし、最終的にはルクセンブルクを獲得し、ブルゴーニュ公国の最盛期を迎えました。この派閥の歴史は、フランスの中世史における重要な政治的側面を示しています。

もう一度検索