アルマニャック派

アルマニャック派の歴史

アルマニャック派（フランス語：Armagnacs）は、百年戦争の時代に起こったフランスの重要な派閥の一つです。この派閥はガリカニスムを主張し、相対するブルゴーニュ派と国の主導権を巡って争いました。最初は、オルレアン公シャルル・ド・ヴァロワに関連してオルレアン派と呼ばれていましたが、後に中心人物であるアルマニャック伯ベルナール7世の名を取ってアルマニャック派と改名されました。

アルマニャック派の起源

アルマニャック派の歴史は1380年に遡ります。この年、シャルル5世が崩御し、当時11歳だったシャルル6世（狂気王）の元で協同統治が始まりました。オルレアン公ルイやブルゴーニュ公ジャン1世（無怖公）など、様々な貴族が国政に影響を及ぼす中、ジャン無怖公が特に目立つ形で力を持ちました。

しかし、1388年にはシャルル6世が親政を開始し、無怖公との対立が深まりました。1392年にシャルル6世が精神的な発作を起こした後、オルレアン公ルイは彼の代弁者となり、ブルゴーニュ派との権力闘争が激化しました。1407年にはルイがブルゴーニュ派に暗殺され、事態は一層緊迫します。

投影された争いは、1410年にベリー公ジャン1世を中心に結成されたジアン同盟によって新たな局面を迎えました。オルレアン公の息子であるシャルルは、アルマニャック伯と共にブルゴーニュ派と対抗し、彼らとの軍事衝突を繰り広げました。この時期の主要メンバーは、ベリー公やブルボン公など貴族が中心で、オルレアン公を盟主としてさまざまな同盟が結成されました。

フランス王国の主導権を巡る戦い

1411年から始まった両派の内戦は長期化しましたが、状況を有利にするために英国の支援を模索しました。ブルゴーニュ派は先にイングランドと交渉し、援軍を得てパリを一時的に奪取しましたが、翌年にはイングランドでの政変により、アルマニャック派との同盟も成立しました。両派は内戦に疲労し、1412年には和睦を試み、イングランド軍は撤退せざるを得なくなり、両派の争いは続きました。

1413年、親ブルゴーニュ派の屠殺業者による反乱を受けてアルマニャック派は動き国王の支持を得ました。これを背景に、アルマニャック派はパリを掌握することに成功しましたが、1415年のアジャンクールの戦いでは大敗し、様々な重要な人物が殺されたり捕虜となりました。こうして影響力は低下し、1418年には再度ブルゴーニュ派がパリを制圧しました。

その後、王太子シャルル（後のシャルル7世）たちアルマニャック派のメンバーは無怖公を暗殺し、ブルゴーニュ派との新たな緊張関係を生む結果となりました。特に1420年のトロワ条約によって、イングランドとブルゴーニュの同盟が結ばれ、アルマニャック派はさらなる後退を強いられました。さらに、1422年にはヘンリー6世の即位により、イングランドの威圧が増大し、アルマニャック派は困難な立場に置かれるようになりました。

和睦への道

この厳しい状況の中、王太子シャルルの姑であるヨランド・ダラゴンはブルゴーニュ派との和睦を試みます。1431年にはブルターニュ公が政略結婚でフランス側に復帰し、1434年から1435年にかけて両派の交渉が再開されました。最終的には、アラスの和約が締結され、アルマニャック派とブルゴーニュ派の間の対立は解消されました。これにより、フランス王国はリッシュモンを中心に再編成され、イングランドへの反攻が始まりました。

このように、アルマニャック派はフランスの歴史において重要な役割を果たしましたが、内部分裂や外的圧力によりその最終的な力は徐々に削がれていくことになります。その後も両派の争いは続きましたが、最終的には和睦が成立し、フランスは再び統一に向けて動き出しました。

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