ブルーム (競走馬)

ブルーム：アイルランドが生んだ長距離馬の軌跡

2016年2月8日生まれの競走馬ブルームは、アイルランドを代表するサラブレッドとして、世界中の競馬ファンを魅了しました。クールモアグループと株式会社キーファーズの共同所有馬として、数々の栄光と苦難を経験したそのキャリアを紐解きます。馬主は、ジョン・マグナー夫人、マイケル・テイバー、デリック・スミス、そして松島正昭氏という豪華な顔ぶれでした。

華々しいデビューからG1制覇へ

2歳（2018年）のデビューは、アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎から。当初は目立った活躍はありませんでしたが、チャンピオンズジュヴェナイルステークスやジャン・リュック・ラガルデール賞で好走し、潜在能力の高さを示しました。

3歳（2019年）になると、その才能が開花します。バリーサックスステークス、愛ダービートライアルステークスと連勝を飾り、ダービーステークスでは2番人気に推されました。ダービーでは4着に敗れましたが、その後、凱旋門賞を目指して調整されるも、体調不良で回避という悔しさも経験しました。

4歳（2020年）は苦戦が続きました。コロネーションカップ4着、ブリティッシュチャンピオンズロングディスタンスカップ13着と、本来の力を発揮することができませんでした。

しかし、5歳（2021年）に転機が訪れます。アレッジドステークス、ムーアズブリッジステークスと連勝を重ね、G2初制覇。そして、悲願のG1タイトルを目指したタタソールズゴールドカップでは2着、ハードウィックステークスでも2着と惜敗を喫するも、続く仏G1サンクルー大賞で遂にG1初制覇を果たしました。この勝利は、関係者だけでなく多くのファンにも感動を与えた、まさにドラマチックな一幕でした。その後は、キングジョージ6世＆クイーンエリザベスステークス4着、フォワ賞2着、ブリーダーズカップターフ2着、ジャパンカップ11着と、世界の強豪と渡り合うも、常にトップレベルで戦いました。

故障からの復活と引退

6歳（2022年）は故障による休養を挟みますが、復帰後もハードウィックステークスで勝利を挙げるなど、底力を見せつけました。しかし、その後は思うような結果を残せず、ブリーダーズカップターフ6着、香港ヴァーズ8着と、晩年は苦戦が続きました。

7歳（2023年）シーズン、ドバイゴールドカップで久々の勝利を収めたものの、その後は精彩を欠き、ブリーダーズカップターフで11着に終わった後、現役を引退しました。

ブルームは、その華麗なる戦績だけでなく、幾多の困難を乗り越え、常に最高峰を目指し続けた、真の闘志あふれる競走馬でした。その勇姿は、多くの競馬ファンの記憶に深く刻まれていることでしょう。トルコで種牡馬として第二の人生を歩むブルームの未来にも、大きな期待が寄せられています。

血統

(血統表は省略)

脚注

(脚注は省略)

外部リンク

netkeiba、JBISサーチ、Racing Post

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