ブーフーウー

ブーフーウー

『ブーフーウー』は、1960年9月5日から1967年3月28日まで、NHK総合テレビで放送された人形劇です。この番組は、着ぐるみを用いた斬新なスタイルで、多くの子どもたちに愛されました。その名の通り、3匹の子ぶたたちとオオカミのコミカルな物語が展開します。

番組は、昭和34年に始まった幼児教育番組『おかあさんといっしょ』の一コーナーとしてスタートし、月曜と火曜に放送されました。当初は他のコーナーと時間を共有しますが、次第に独立した番組として成長。結果的に7シーズンにわって放送されることとなり、内容の質と人気を証明しました。放送された6年と7か月は、当時の人形劇としては最も長い年月でした。

物語は、西洋の昔話『三匹の子ぶた』を基にしていますが、描かれるのはその後日談です。舞台はメキシコ風に設定され、長男のブー、次男のフー、一番下のウーという3匹の子ぶたと、彼らを襲おうとするオオカミのドタバタ劇が展開されます。特筆すべきは、番組の進行中にオオカミと子ぶたたちが仲良くなる展開があったことです。また、ユーモラスな幽霊キャラクターや、かわいらしさがありながらも少々わがままなインコのペロちゃんも登場し、視聴者に人気を博しました。

番組は、当初女優の荻昱子が進行役を務め、1965年に里見京子に交代しました。放送のオープニングでは、おねえさんがブーフーウーのぬいぐるみを舞台に出し、特別なハンドルを回して子ぶたたちが動き始める仕掛けがあり、視聴者を魅了しました。この独自の演出は、当時の子どもたちにとって新鮮で驚きの体験であったでしょう。

また、モノクロ制作であったため、NHKの放送テープには最終回とその前の回のみが残されていますが、荻昱子時代の貴重なカラーフィルム映像も確認されています。現在、放送ライブラリーでは最終回の視聴が可能です。

キャラクターたちの魅力も見逃せません。ブーは文句が多く、フーは弱虫で、ウーはしっかり者と、個性的な性格が際立っています。オオカミもビスケット好きというかわいらしさを持ち、視聴者の心を掴みました。

このプログラムの最終回では「テレビでの放送は終わりですが、ブーフーウーの3人は引き続きメキシコのサボテンのあるところで遊んでいますよ」と青空の下に消えていく子ぶたたちが描かれました。その後、彼らは時折別の番組で登場し、親しみを持ち続けました。

このように、『ブーフーウー』は単なる子ども向け番組を超え、数世代にわたって記憶に残る作品となりました。現在でも歌集やテレビドラマでの言及が見られ、その名は多くの人々に語り継がれています。

人形劇としての新たな挑戦を体現した『ブーフーウー』は、子どもたちに笑いと学びをもたらし、その後の番組制作に多大な影響を与えたのです。

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