プジョー・2008

プジョー2008：小型SUVの進化と成功

プジョー2008は、フランスの自動車メーカー、プジョーが製造・販売する小型SUVです。世界各国で販売され、高い人気を博しています。初代モデルと、2019年に登場した2代目モデル、そしてダカール・ラリー参戦など、その歴史と魅力を詳しく見ていきましょう。

初代プジョー2008 (A94型)

2013年に登場した初代2008は、208をベースに開発されたプジョー初のグローバルSUVでした。フランス、中国、南アメリカの従業員が共同で設計・開発に携わったことで、グローバル市場を意識した設計となっています。生産はフランスのミュルーズ工場を拠点とし、ヨーロッパ各国に加え、トルコ、オーストラリア、南アフリカ共和国、日本、ロシアなど世界各国へ輸出されました。中国と南米向けは、それぞれ武漢工場とブラジル・ポルト・レアル工場で生産されました。

発売からの人気は高く、発売2ヶ月でヨーロッパ全体で2万6,000台以上の受注を獲得。需要の高まりに応えるため、ミュルーズ工場では増産体制が敷かれ、生産能力が倍増しました。2014年には累計生産台数が10万台を突破するなど、その人気は不動のものとなりました。日本においても高い人気を誇り、2018年にはプジョーの国内販売の約14％を占めていました。


メカニズム

初代2008には、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンが複数種類用意されていました。ガソリンエンジンは直列3気筒1.2Lと直列4気筒1.6L、ディーゼルエンジンは直列4気筒1.4Lと1.6Lがラインナップされていました。日本仕様は、2016年モデルから直列3気筒直噴ターボエンジン1.2L PureTechを搭載。トランスミッションは、モデルによって5速MTまたは6速MT、一部モデルには6速EGCやアイシン製の6速ATが搭載されました。駆動方式はFFのみです。

安全装備として、全車に6エアバッグ、EBD、トラクションコントロールシステムが標準装備。衝突被害軽減ブレーキは、日本仕様では2016年モデルから標準装備となりました。インテリアには、プジョー独自の「i-Cockpit」を採用。小径ステアリングとヘッドアップディスプレイ風メーターパネル、7インチタッチスクリーンなどを備え、先進的な運転環境を実現しています。

2代目プジョー2008 (P24型)

2019年には、フルモデルチェンジを果たした2代目2008が登場しました。PSAグループ共通の「CMP」プラットフォームを採用し、デザインと機能が大きく進化。同年、広州モーターショーで世界初公開されました。


e-2008

2代目2008と同時に発表されたのが、電気自動車のe-2008です。「e-CMP」プラットフォームを採用し、最大出力136hp、最大トルク26.5kgmのモーターを搭載。バッテリー容量は50kWhで、航続距離は最大430km（NEDC計測）を誇ります。

ダカール・ラリー参戦

プジョーは、2015年に25年ぶりにダカール・ラリーに復帰。2008をデザインモチーフとした「2008 DKR」で参戦しました。2008 DKRは、市販車とは異なる鋼管製パイプフレームの二輪駆動バギーで、参戦初年度は総合優勝候補と目されながらも、総合トップ10入りを逃しました。しかし、2016年には改良された「2008 DKR 16」で、圧倒的な強さを見せつけ、ステファン・ペテランセル選手が総合優勝を達成。プジョーにとって1990年以来の快挙となりました。

日本での販売

初代2008は2014年に日本市場で発売され、2016年にはマイナーチェンジ、そして数度の特別仕様車の発売を経て、2019年には2代目モデルが登場。2020年9月にはフルモデルチェンジを果たした2代目モデル「SUV 2008」および電気自動車モデル「SUV e-2008」が発売されました。その後も、グレード変更や特別仕様車の追加、仕様変更など、進化を続けながら、現在も販売されています。

プジョー2008は、デザイン、性能、環境性能のバランスが良く、世界中で高い人気を誇る小型SUVです。今後の更なる進化にも期待が寄せられています。

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