プジョー・204

プジョー204概要

プジョー204は、フランスの自動車メーカーであるプジョーが製造した自動車で、1965年から1975年の間に生産されました。この車は、当時の自動車技術に革新をもたらしたモデルの一つであり、特にそのコンパクトな設計と多様なバリエーションが特徴的です。204は、主にセダン（ベルリーヌ）モデルとしてデビューし、その後ワゴンモデルやクーペ、カブリオレなど、多彩なバリエーションが追加されました。

エンジンと駆動方式

204は当初、直列4気筒のSOHCガソリンエンジンを搭載しており、排気量1,130ccで53馬力を発生させました。生産終了直前の1975年には新設計の1,127ccエンジンに変更され、59馬力を実現しました。また、1968年末には、1,255ccのディーゼルエンジンがオプションとして追加されました。このエンジンは、当時では世界最小の量産型ディーゼルとして知られ、一部のモデルにはこのエンジンが搭載されました。

駆動方式に関しては、204はプジョーとして初の前輪駆動方式を採用し、エンジンを横置きに配置しました。ギアボックスとデファレンシャルはエンジンの真下に設置され、これにより車両のコンパクトさが向上しました。この設計は、BMC・ADO16の影響を強く受けており、運転の安定性や居住性にも寄与しています。また、204はプジョーが初めて前輪にディスクブレーキを採用したモデルでもあり、安全性の向上にも貢献しました。

車体デザイン

204は、プレーンで美しいデザインが特徴であり、デザインは著名なデザイナー、ピニンファリーナによるものです。そのデザインは、当時のプジョーの特徴を強調しながら、他の競合車種とも競争できる魅力を持っています。204のボディはコンパクトでありながら広い室内空間を提供しており、居住性は上級モデルの404に匹敵するほどでした。

1965年に登場した204は、最初はセダンのみのラインナップでしたが、同年の秋にはブレーク（ワゴン）が追加され、1966年には3ドアのクーペと2ドアのカブリオレも登場しました。クーペとカブリオレの価格は、ベルリーヌに比べて手頃であったため、多くの消費者に支持されました。1970年には、より大きなエンジンを搭載した兄弟モデルである304も登場し、204のラインナップは段階的に縮小されていきました。

日本市場での展開

日本においては、1960年代にプジョーの総代理店である新東洋企業によってセダンモデルが輸入されましたが、その数は極めて少なかったため限定的な存在に留まりました。しかし、そのユニークなデザインと技術的な革新は今でも評価されており、クラシックカーとしての人気も見受けられます。

プジョー204は、その歴史とともに自動車の進化を象徴する存在となりました。その多様なボディスタイルや革新的な技術は、その後のプジョーのモデルに多くの影響を与えました。

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