新東洋企業

新東洋企業株式会社：英国車輸入販売から不動産まで手がけた老舗企業の歴史

1957年、東京都品川区に設立された新東洋企業株式会社は、当初より自動車の輸入販売を主力事業として展開してきました。創業者の宋尚桓氏のもと、英国BLMC社（ジャガー、ローバー、トライアンフ、MG、ミニなど）の輸入総代理権を獲得。ジャガー、フェラーリ、プジョー、マセラティといった高級車を扱うことで、日本の自動車業界に大きな影響を与えました。

その後、事業拡大に伴い、デイムラー、サーブ、ランボルギーニといったブランドの取り扱いも開始。1970年には丸紅との合弁会社である新東洋モータース株式会社を設立し、ジャガーやデイムラーの販売を同社に移管、ローバーの取り扱いも開始しました。他ブランドの輸入代理権を他社に譲渡するなど事業の変遷を経て、BLMC社（後にBL社に改称）の車販売に注力するようになります。

1977年、BL社が日本子会社である日本レイランドを通じて直接輸入を開始したことを受け、新東洋企業は輸入総代理権を返上。横浜市神奈川区に移転し、日本レイランド、オースチン・ローバー・ジャパン、ジャガーの分社化後にはジャガー・ジャパンの正規販売店として事業を継続しました。横浜市に「ジャガー横浜」ショールームを開設するなど、ジャガーブランドの販売強化に努めました。

1997年には「ジャガー湘南」ショールームも開設しましたが、現在は閉鎖されています。2002年には、フォード傘下にあったアストンマーティン車の輸入販売権を取得。「アストンマーティン赤坂」ショールームをオープンさせました。しかし、2017年には日本における販売戦略の見直しに伴い、ディーラー権を返上、営業を終了しました。

2013年にはランドローバーとレンジローバーの取扱いも開始し、「ジャガー横浜」を「ジャガー・ランドローバー横浜」に改称。2015年には横浜みなとみらい地区に移転、リニューアルオープンしました。旧ショールームはアプルーブドカーセンターとして活用されています。

新東洋企業は、自動車事業部門と不動産事業部門を別会社として運営していましたが、現在はすべて新東洋企業に集約されています。しかしながら、2020年7月31日には、長年にわたって展開してきた自動車事業部門である「ジャガー・ランドローバー横浜」をミッドランズ株式会社に移譲、自動車事業から撤退しました。

新東洋企業は、英国車の輸入販売で日本の自動車文化に貢献してきた歴史を持つ企業です。数々の高級車ブランドを取り扱い、時代の変化に対応しながら事業を展開してきました。かつてはジャガーブランドを日本で最も長く取り扱ってきた企業としても知られ、その歴史は日本の自動車業界における重要な一ページを刻んでいます。現在は不動産事業を中心に、新たな展開を模索しているものと考えられます。

主な事業内容

自動車輸入販売（過去）：ジャガー、ローバー、アストンマーティンなど
不動産事業
その他事業

主要ショールーム（過去を含む）

ジャガー横浜（現：ジャガー・ランドローバー横浜、移転後：横浜みなとみらい地区）
ジャガー湘南（閉鎖）
アストンマーティン赤坂（閉鎖）

参考資料

新東洋企業公式ウェブサイト
新東洋企業 History（アストンマーティン赤坂サイト内、ウェブアーカイブ）
* JAIAインポーター別取り扱いブランドの移り変わり（新東洋企業、新東洋モータース、ウェブアーカイブ）

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