プジョー・508

プジョー508：洗練とスポーティさを融合したDセグメントモデル

プジョー508は、プジョーが展開するDセグメントに属する自動車です。セダンとステーションワゴンという2つのボディタイプが用意され、2011年に初代モデル、2018年にはデザインを一新した2代目モデルが登場しています。それぞれの世代で異なる特徴を持つ508について、詳しく見ていきましょう。

初代モデル（W23/22型 2011年-2018年）

初代508は、それまで存在していた407（中型セダン/ステーションワゴン）と607（大型セダン）を統合する形で誕生しました。セダンとSW（ステーションワゴン）の2種類のボディタイプが用意され、プジョーの新しいデザインアイデンティティを反映したスタイリッシュな外観が特徴でした。

プラットフォームやエンジンは、シトロエンC5と共通のものを使用し、PSAレンヌ工場で生産されました。パワートレインは、ガソリンエンジンとして1.6L直噴ターボ、ディーゼルエンジンとして1.6Lと2.0Lのコモンレール式HDiエンジンがラインナップ。トランスミッションは6速MTと6速ATが用意され、エンジンと組み合わせることができました。欧州市場では、2.0Lディーゼルエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載した「RXH」というクロスオーバーモデルも販売されました。

日本市場では、ガソリン1.6Lエンジンと6速ATの組み合わせのみに絞って導入され、「アリュール」と「グリフ」の2つのグレードが設定されました。SWモデルにはパノラミックガラスルーフが標準装備されていました。2014年にはフェイスリフトを行い、後期型へ移行。さらに2016年にはクリーンディーゼル「BlueHDi」搭載車も導入されました。

2代目モデル（R83/82型 2018年-）

2代目508は、中国市場での先代モデルの不振を踏まえ、欧州市場での成功を重視したモデルとして開発されました。チーフデザイナーのジル・ヴィダルによって、スポーティで洗練されたデザインへと大きく方向転換。セダンモデルは4ドアセダンから5ドアファストバックへと変更され、より低く、ワイドなシルエットが与えられました。

フロントフェイスには、獅子の牙をイメージした縦長のデイタイムランニングライトや、鉤爪をイメージしたLEDテールライトを採用。往年の504を彷彿とさせるフロントグリル中央に配置された「508」のロゴも特徴的です。さらに、サッシュレスドア（508Lを除く）を採用することで、よりスタイリッシュな印象を与えています。

インテリアにはプジョー最新の「i-Cockpit」を採用し、12.3インチのデジタルメーター、小径ステアリングホイール、8インチのインフォテインメントシステムを搭載。Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応しています。荷室容量はファストバックが487L、SWが530Lとなっています。

パワートレインは、1.6L直噴ツインスクロールターボ「PureTech」エンジンや、2.0L直噴コモンレール式ターボディーゼル「BlueHDi」エンジンが用意されました。フランス本国では、1.5Lディーゼルエンジン、より高出力の1.6Lターボエンジン、そしてプラグインハイブリッドモデル（PHEV）もラインナップされています。PHEVモデルは、高い燃費効率と電気モーターのみでの走行距離を両立しています。

サスペンションにはプジョー初となるアクティブサスペンションを搭載し、ドライビングモードに応じて減衰力が変化するよう設計されています。安全装備も充実しており、アクティブセーフティブレーキやアクティブクルーズコントロール、レーンポジショニングアシストなどが標準で装備されています。

中国市場向けには、ホイールベースと全長を延長した4ドアノッチバックセダンである「508L」が用意されています。

日本市場では、2018年11月にファストバックの「ファーストエディション」が限定販売され、2019年から本格導入を開始。1.6L PureTechエンジン搭載モデルと2.0L BlueHDiエンジン搭載モデルがラインナップされ、トランスミッションには8速ATが採用されています。2021年6月からはグレード体系が変更され、PHEVモデルの「GT HYBRID」も追加されました。

プジョー508は、スタイリッシュなデザインと先進的な技術を融合させた、魅力的なDセグメントモデルと言えるでしょう。

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