プブリウス・センプロニウス・ソプス (紀元前268年の執政官)

プブリウス・センプロニウス・ソプスは、共和政ローマにおいて重要な役割を果たした人物です。平民出身でありながら、執政官と監察官という要職を歴任し、国家に貢献しました。以下に、彼の生涯と業績について詳しく解説します。

出自と家柄

ソプスは、センプロニウス氏族という平民の家系に生まれました。しかし、彼の父であるプブリウス・センプロニウス・ソプスは、紀元前304年に氏族として初めて執政官に選出されており、ソプスの家系はすでに一定の地位を確立していました。カピトリヌスのファスティによれば、ソプスの祖父もプブリウスという名前であったことがわかっています。

執政官としての活躍

ソプスが歴史に登場するのは、紀元前268年に執政官に就任した時です。同僚の執政官は貴族出身のアッピウス・クラウディウス・ルッススでしたが、彼は任期中に亡くなりました。ソプスは、前年に発生したピケヌムの反乱を鎮圧するという重要な任務を担いました。

ピケヌムの反乱鎮圧については、資料によって記述が異なります。一部の資料では、ソプスとルッススが共同でピケヌムに勝利し、合同で凱旋式を行ったとされています。しかし、他の資料では、ソプスのみが軍を率いて勝利したとされています。ドイツの学者フリードリヒ・ミュンツァーは、エウトロピウスの説が最も信頼性が高いとしつつも、この勝利における最大の功績者はソプスであると述べています。決戦前には地震が発生し、戦闘も非常に激しいもので、生き残ったローマ兵はごくわずかだったと伝えられています。フローラスによれば、ソプスは地震を鎮めるために、大地の女神テルースに神殿を建立することを誓ったとされています。セクストゥス・ユリウス・フロンティヌスも同様の話を伝えていますが、ローマ軍の司令官をティベリウス・センプロニウス・グラックスと誤って記述しています。

紀元前268年には、アリミヌム（現在のリミニ）とベネウェントゥム（現在のベネヴェント）に植民都市が建設され、サビニ人には選挙権が与えられました。

監察官としての職務

紀元前252年、ソプスは監察官に就任しました。同僚の監察官はマニウス・ウァレリウス・マクシムス・メッサッラでした。両監察官は、16人の元老院議員を追放し、カルタゴとの戦争中にもかかわらず訓練を行ったとして、シケリア（シチリア）に駐屯していた400人の騎士階級を降格させました。この時の国勢調査によると、ローマの人口（徴兵対象人口）は297,797人でした。

厳格な私生活

ソプスは、公務においてだけでなく、私生活においても厳格でした。妻が告別競技会（故人を偲んで行われる競技会）を観戦した（あるいはソプスに無断で観戦した）という理由で離婚したと伝えられています。これは、紀元前264年にマルクス・ユニウス・ブルトゥスとデキムス・ユニウス・ペラの兄弟が父の葬儀の際にフォルム・ボアリウムで開催した最初の剣闘士試合の時の話であると考えられています。

プブリウス・センプロニウス・ソプスは、共和政ローマの発展に貢献した人物であり、その功績は今日まで語り継がれています。

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