プラスアルファ (シューティングゲーム)

プラスアルファ

『プラスアルファ』(PLUS ALPHA)は、1989年5月に日本のゲームメーカー、ジャレコによってアーケード用ビデオゲームとして市場に送り出された作品です。ジャレコのアーケードゲーム基板である「メガシステム1」に対応したタイトルとしては第6弾にあたります。

本作は、可愛らしい二人の少女戦士が、おとぎ話のような世界観の中で戦闘機を操り、悪の支配から7つの国々を救うために戦う縦スクロール形式のシューティングゲームです。そのメルヘンチックで幻想的な雰囲気と、従来のシューティングゲームと比較して比較的抑えられた難易度は、幅広い層のプレイヤーが楽しめるように意図された設計と言えます。

ゲームシステム

プレイヤーは、青いポニーテールの少女セリア（1プレイヤー側）または金髪ショートカットの少女ルゥミィ（2プレイヤー側）となり、それぞれ専用の変身戦闘機であるパーマインとプリルに搭乗します。ゲームの目的は、各ステージの最後に待ち受ける大ボスを撃破し、支配された7つの国々を解放していくことです。1人でのプレイはもちろん、2人同時プレイも可能です。

操作は8方向レバーと2つのボタンを使用します。ボタン1で通常攻撃であるショットを発射し、ボタン2で強力な特殊攻撃「ハイパー」（いわゆるボンバー）を使用します。

自機には、プロペラ機型のプーペラ、ジェット機型のジター、ヘリコプター型のヘリポという3種類の形態が存在し、ゲーム中に特定のアイテムを取得することで形態を変化させることができます。それぞれの自機形態によって、ショットの性質やハイパーの攻撃範囲などが異なり、状況や好みに合わせて使い分けることが可能です。

ゲーム中には、特定の敵を倒すことで出現するパワーアップアイテムなどがあり、これらを取得することで自機を強化できます。

また、隠された要素も存在します。道中には目に見えない隠れキャラクターが配置されており、出現ポイントを通過すると一時的に姿を現します。同じポイントを5回通過すると、5000点のボーナスを獲得できます。さらに、特定の場所でハイパーを使用すると、通常よりも多くのボンバーアイテムが出現するポイントも存在します。

ステージの最後にはボスキャラクターが登場し、これを撃破することでステージクリアとなります。全7面構成となっており、1周クリア後には3面から再びゲームが始まるループシステムを採用しています。

各ステージのクリア後には「プレゼントゲーム」というミニゲームに挑戦できます。挑戦できる回数は、ステージクリア時に残っていたハイパーの数と同じです。このミニゲームはルーレット形式で、回転するパネルの絵柄を揃えることで、パワーアップアイテムやボーナス得点などが得られます。ただし、絵柄を揃えられなかった場合はハイパーを1つ消費し、さらに「大外れ」を引いてしまうと、残りの挑戦回数に関わらずミニゲームが即座に終了してしまいます。ルーレットを止める操作（ショットボタンかボンバーボタンを使用）の結果はランダムに決まるため、特定の絵柄を狙うことはできません。

移植・関連作品

アーケード稼働当時は家庭用ゲーム機への移植はありませんでしたが、稼働から30年以上が経過した2020年には、ダウンロード販売形式で現代のゲームプラットフォームに登場しました。同年4月16日にNintendo Switch版、4月30日にはPlayStation 4|PlayStation_4版が、アーケードアーカイブスシリーズの一環として配信されています。

また、2006年には携帯電話向けのゲームアプリとして、本作の続編にあたる『プラスベータ』が配信されました。さらに、ジャレコが後に手掛けたパズルゲーム『ソルダム』や、アクションゲーム『妖精物語ロッド・ランド』は、本作と世界観を共有する作品として知られています。

ジャレコの他の人気キャラクターが登場するシューティングゲーム『ゲーム天国』シリーズには、本作の主人公の一人であるセリアと、その愛機プーペラがゲストキャラクターとして登場しています。

評価

本作は、当時のゲーム専門誌『ゲーメスト』が主催した「第3回ゲーメスト大賞」（1989年度）において、読者投票によりベストシューティング賞の6位に選ばれ、さらに年間ヒットゲーム50位にもランクインするなど、プレイヤーから一定の支持を得ました。また、ベストキャラクター賞では、主人公の一人であるセリアが14位を獲得しています。

ゲーム文化保存研究所のこうべみせ氏は、本作のファンシーな世界観を見た際に、先にリリースされていたコナミの『出たな!!ツインビー』からの影響を推測したものの、実際には本作の方が早く稼働していたことを後に知ったエピソードを語っています。同氏は、プーペラ、ジター、ヘリポという3種類の自機がそれぞれ異なる特性を持っている点を評価し、プレイヤーが真に好みの自機を選んでプレイできる楽しさがあったと述べています。

さらにこうべ氏は、同時期にリリースされた多くのシューティングゲームが高難易度であった状況を踏まえ、本作のように難易度が抑えられていることから、開発元であるジャレコに「プレイヤーへのやさしさ」という開発ポリシーがあったのではないかと分析しています。

開発スタッフ

メインプログラム: PAPA♡SEKIYA (せきやひとし)
キャラクタープログラム: MOTOKO
スクロールプログラム: いがくら♡やすお (猪ヶ倉康雄)
スペシャルプログラム: YUMA♡YOSHIDA (吉田明広)
メインキャラクターデザイン: ROLLING.N
キャラクターデザイン: OTAPPIE ETOH、U.KEIJIRO
メインスクロールデザイン: NEKOMASA
スクロールデザイン: MARKUN!、OTATUKU
オープニングデザイン: NEKOMASA♡
プレゼントデザイン: MARKUN、TAKAHASHI
エンディングデザイン: OTATUKU♡ETOH
サウンド: J・S・TAWADA (多和田吏)
ボイスアクトレス: EPPIN HONDA
サウンドプログラム: PANIC YUNMA
* ゲームデザイン: MOMONGA (森谷忠明)

もう一度検索