プリンツ・オイゲン (重巡洋艦)

プリンツ・オイゲン (Prinz Eugen)

プリンツ・オイゲンは、1930年代に建造されたドイツ海軍の重巡洋艦で、アドミラル・ヒッパー級の3番艦にあたります。艦名は、オーストリアの軍人プリンツ・オイゲンに由来し、この艦は「強運の巡洋艦」として知られています。1935年に建造が始まり、1940年に就役を果たしましたが、すでに第二次世界大戦の真っただ中にあり、その運命は戦闘に決定づけられました。

建造と艦歴

プリンツ・オイゲンは、1936年にキールのクルップ造船所で起工し、1938年に進水しました。就役前の1940年7月には、イギリス空軍の爆撃機による攻撃を受け軽微な損害を負ったものの、その後戦闘に投入されることとなります。1941年5月には、戦艦ビスマルクとともに「ライン演習作戦」に参加し、イギリス海軍の巡洋戦艦フッドを沈める戦果を挙げました。

演習と作戦

その後、プリンツ・オイゲンは1942年の「ツェルベルス作戦」にも参加し、ブレストからドイツ本国への帰還を果たします。この作戦では、他の艦艇と共にイギリス艦隊の攻撃を受けながらも、数々の戦果を上げました。また、ノルウェーでの任務中には、イギリスの潜水艦による攻撃で艦尾が大破するという事態に見舞われたが、修理の後もデンマーク海峡を経て戻ることができました。

1943年から1944年にかけては、ドイツ海軍の艦艇として再び戦闘任務に就くことになります。ソ連軍の押し返しが本格化する中、プリンツ・オイゲンは砲術支援艦として重要な役割を果たしました。特にバルト海での任務を重視し、多くの砲撃支援を行い、その実力を証明しました。

戦後の運命

1945年5月には、プリンツ・オイゲンは退役し、イギリス海軍に引き渡されました。その後、アメリカ軍に接収され「USS プリンツ・ユージン」と改名され、ビキニ環礁での原爆実験に標的艦として使用されました。これにより、艦は空中および海中の爆発を受けながらも沈むことはありませんでしたが、その後の浸水問題により放棄される運命にありました。

現在、プリンツ・オイゲンは浅瀬に残されており、その船尾は海面上に出た状態で見ることができます。船体内部にはまだ大量の燃料が残されているため、アメリカ政府は燃料の回収作業を行っており、その99%にあたる量が回収されたとの報告もあります。

艦の残骸の一部は、ドイツに帰還されて展示されるなど、いまだ多くの人々に思いを馳せられる存在となっています。このようにして、プリンツ・オイゲンは歴史の中で長い間健在であり続けているのです。

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