プレーヤーズゲーム

プレーヤーズゲームとは

プレーヤーズゲーム（Players Game、略称PG）は、DVDプレーヤーやBlu-rayプレーヤー、そして光ディスク再生機能を備えたゲーム機などで動作するコンピュータゲームの総称です。メディアの違いから、DVD規格のDVDPG（DVD Players Game）、BD規格のBDPG（Blu-ray Disc Players Game）、UMD規格のUMDPG（Universal Media Disc Players Game）の3種類が存在します。

概要

ムービーを主体とするゲーム性の低い作品は、海外では「Interactive film」と呼ばれています。この形式は、フィルムメディア時代から存在し、1975年には任天堂がアーケードゲーム『EVRレース』をリリースしています。ディスクメディアを用いたものとしては、1983年にCinematronics社がアーケードでリリースしたLDゲーム『ドラゴンズレア』、1992年にセガが家庭用ゲーム機メガCD向けにリリースした『ナイトトラップ』などが代表例です。

「Interactive film」は、ドット絵が主流だった1980年代から1990年代前半において、アニメや実写と同等の画質を楽しめるという点で注目を集めました。しかし、ゲーム性が低く、製作費が高額になるため、ゲームとしての評価は高くありませんでした。例えば、ソニーイメージソフトが1993年に発売したメガCD用ソフト『Ground Zero Texas』の製作費は300万ドルにものぼり、映画製作に匹敵するほどのコストがかかっていたとされます。

1990年代後半に、PlayStationなどムービーを扱える家庭用ゲーム機が普及すると、ポリゴンムービーを多用しつつもゲーム性の高い作品が登場し、「Interactive film」は衰退していきます。しかし、DVD再生機の普及に伴い、1990年代末から「Interactive film」は「DVD game」として復活しました。アメリカでは、専用コントローラーが不要で、DVDプレーヤーのリモコンでプレイできる手軽さから、主に玩具メーカーが低年齢層向けに展開しました。

日本では、DVDゲームは当時パソコン用ゲームとして流行していたビジュアルノベルやアダルトゲームとの相性が良く、2000年頃から移植が盛んに行われました。当時、PCは高価で普及率が低かったため、DVDプレーヤーさえあればPCを持たないユーザーでもビジュアルノベルを楽しめるのが大きな利点でした。また、ゲームと異なる流通ルートを持つ映像ソフトは、普段ゲームをしない層にもリーチするという供給側の思惑もありました。

PlayStation 2の登場（2000年）は、DVD再生機能が標準装備されたことで、DVDプレーヤーとしての役割も担うこととなり、2006年に発売されたPlayStation 3も同様にBDプレーヤーとして機能しました。この流れから、「Interactive film」は2000年代から2010年代にかけて、日本では「プレステで遊べるエロゲー」という独特なジャンルを形成し、「プレーヤーズゲーム」として定着しました。

DVDプレーヤーズゲーム（DVDPG）

DVDPGは、DVD-Video規格に準拠したDVD-ROMを使用し、DVDプレーヤーのリモコンやPlayStation 2などのコントローラーで操作を行います。DVD-Videoのマルチストーリー機能を活用して物語を分岐させることで、アドベンチャーゲームとしての体裁を整えています。

パソコンゲームと比較してインストールなどの手間が不要で手軽にゲームを楽しめる反面、高度なフラグ管理や自由なセーブ機能は実現できません。セーブ機能については、コントローラのテンキーからのパスワード入力で代用されることが多いです。

一般向け作品では、「インタラクティブDVD」という名称が使われることもありますが、必ずしもゲームであるとは限りません。インタラクティブな要素を取り入れたドラマやアニメ、アミューズメントディスクなども含まれます。

展開

日本では、パイオニアビデオが初期からDVDゲームを展開し、1998年にゲームソフトの移植版やオリジナル作品を発売しました。当初は明確な名称はありませんでしたが、2000年にNOISEがアダルトゲームを発売したのをきっかけに、アダルトゲームメーカーが相次いで参入し、2001年にはコンピュータソフトウェア倫理機構（ソフ倫）主導で「DVDプレーヤーズゲーム」という名称が統一されました。

ソフ倫がこの名称を提唱した背景には、PCを持っていないユーザーにもアダルトゲームを広げたいという狙いがありました。また、DVDPGはPCゲームとは異なる流通ルートで販売されるため、新たな顧客層を開拓するという目的もありました。初期にはオリジナルのDVDPG作品もありましたが、徐々にPCゲームの移植版が中心となっていきました。また、アダルトゲームの原作から性描写を削除した作品も見られましたが、次第にアダルトゲームが主流となりました。

アメリカでは、日本のビジュアルノベルを翻訳して展開していたメーカーが、日本のDVDPGも展開しましたが、市場には受け入れられず、事業を停止しました。

BDプレーヤーズゲーム（BDPG）

BDPGは、Blu-ray Discを使用したゲームで、DVD以上の高画質・高音質でゲームを楽しめます。BD-J（Blu-ray Disc Java）を使用することで、DVDPGでは難しかった複雑なゲーム内容も実現可能になりました。ただし、BDプレーヤーの性能によっては動作が重くなる場合があります。

アダルトゲームに関しては、DVDPGが既に普及していたため長らく開発されませんでしたが、2010年に初のアダルトBDPGが発売され、セーブ機能なども実装されました。その後、大手アダルトゲームメーカーも参入し、BDPGの展開が開始されました。

UMDプレーヤーズゲーム（UMDPG）

UMDPGは、PlayStation Portable（PSP）用にUMDを用いたゲームです。UMDを再生できる機器がPSPしかないため、UMDPGは事実上「PSP用アダルトゲーム」となっていました。複数のメーカーがUMDPGを販売していましたが、ほとんどが18禁作品でした。一部メーカーは自主規制として「15歳〜18歳以上推奨」としていました。

Players Gameメーカー一覧

現存するメーカー、活動を休止したメーカー、そして撤退したメーカーがあります。

現存

電脳CLUB
まんごーぷりん
アイチェリー/プチチェリー
AMBER/熟女パラダイス/PINK
N43 Project
ぶる～べり～そふと
mints
殿ちゃんカンパニー
Peach
WORLD PG
D-PLAY
あそべる！BD-GAME
びすけっと
BD de ゲーム
BD-game

活動休止

BLACKRAINBOW
ILLUSION
Mink
May-Be SOFT・SQUEEZ・G.J?・MBS TRUTH・OLE-M
姫ちゃんカンパニー
COSMO PG
テクニカルスタッフ
Palace/ぷちぱれす
Finish!
アイル (ゲームブランド)
ジャム・クリエーション
Cain（カイン）
Cyc (ブランド)
デジターボ

撤退

チーム暗黒媒体・カニスキー
イーアンツ
IXIA・Flow Back
JIN企画
マンボー
トワイライトシー
アクアウェイブ
D.V.S
グランドクロス
Just
ソシエッタ
インターハート
メルロー
ネクストン
フォレスト
イエローピッグ
Guilty・LUCHA！・rouge・ruf
ディーオー・ZyX・シーディーブロス
アクティブ
West Vision
有限会社エイアイアール
ファイブウェイズ
Pix

Players Gameオリジナル作品

実写作品を除く、代表的なオリジナル作品をいくつか紹介します。

DVDPG

夢魔　SUCCUBUS （2002年、D.V.S）
誰ひとり～常世の里～（2002年、千歳）
トロイメライ～服従～（2002年、SAKURADO・R2Corp）
訪問者（2003年、ファボライト）
JAN 凌虐の野球拳（2003年、ソシエッタ）
DOUBLE RONDE DVDPG - MAHJONG & QUIZ -（2003年、BLACKRAINBOW）
WATCH！封印の妖精（2003年、雅王）
エロポリー マーシーを探せ！（2003年、ソシエッタ）
もういちど…～close your eyes～（2004年、雅王）
縛ってポン！（2004年、ソシエッタ）
夏迷宮～サマーラビリンス～（2004年、ブロードゲーム）
エロリンピック婦人軽官・保母・ビーチバレー選手編（2004年、プチチェリー）
エロリンピック人妻・英会話講師・女子校生編（2004年、プチチェリー）

BDPG

クドわふたー あそBD（2013年、あそべる！BD-GAME）

UMDPG

遠野の屋形 第一章 「契約」（2008年、ソシエッタ）

関連情報

Blu-ray Disc
BD-J'>BD-J
レーザーディスクゲーム
VLCメディアプレーヤー (BDPGの再生に使われるBD-LiveはBD-Jの一部である)の完全サポートをうたうソフトウェアプレーヤー

外部リンク

イーアンツ有限会社
PalaceGame（UMDPGとして移植されたアダルトゲームの販売を手がけている）
『あそべる!BDゲーム』公式サイト

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