BDプレーヤー

Blu-ray Discプレーヤー（BDプレーヤー）とは

Blu-ray Discプレーヤー（以下、BDプレーヤー）は、Blu-ray Disc（BD）の再生に特化した機器です。BDに記録された映画や音楽などの映像コンテンツを、高画質・高音質で楽しむことができます。DVD-Videoの再生にも対応しており、過去のDVDコレクションも活用可能です。BDプレーヤーは再生専用機であり、録画機能は備えていません。録画機能を持つものは「BDレコーダー」と呼ばれます。

2000年代後半には、BDと競合する規格としてHD DVDが存在しましたが、現在はBDが主流となっています。

BDプレーヤーの概要

BDプレーヤーは、テレビに接続してBDの映像を視聴するための機器です。単体で動作し、BDの映像信号をテレビに送信します。据え置き型が一般的ですが、パナソニックからは液晶モニター付きのポータブルタイプや車載用も限定販売されています。また、BD-ROMはBDドライブを搭載したパソコンでも視聴可能です。この際、専用の「BD/DVD再生ソフトウェア」が必要です。

BDプレーヤーは、BDだけでなくDVD-Videoフォーマットにも対応していることが一般的です。これにより、パソコンで作成したDVDやDVDレコーダーで録画したDVDも再生できます。さらに、BD/DVDレコーダーで録画したBDAVやDVD-VR形式のディスク、AVCHD、音楽CDなども再生できる機種もあります。かつては、LG電子とサムスン電子からBD/HD DVD両対応プレーヤーも販売されていました。

BDプレーヤーでの視聴

BDプレーヤーで高画質の映像を視聴するには、ハイビジョン解像度に対応したHDTVが必要です。テレビとの接続には、D端子、コンポーネント端子、HDMIケーブルのいずれかを使用します。中でも、デジタル信号をそのまま伝送できるHDMI接続が推奨されています。近年のHDTVは、1〜3個のHDMI端子を搭載していることが一般的です。

RCA端子を使ったコンポジット映像信号では、DVDプレーヤーと同等の解像度になります。SDTVでも視聴は可能ですが、本来のBDの画質は楽しめません。

1080/24pとは

映画ソフトは、通常秒間24フレーム（24Hz）で撮影・収録されています。これをプレーヤー側で60Hzに変換すると、画質がわずかに劣化する可能性があります。そこで、フルハイビジョン・24HzのままHDMIでデジタル転送する方式が登場しました。これが「1080/24p」と呼ばれるものです。対応テレビでは、24Hzの倍数（120Hzなど）に補間することで、よりオリジナルの映像に近い滑らかな映像を再現できます。

一部のBDプレーヤーには、デジタル放送の60Hzを24Hzに変換して出力する機能も搭載されています。ただし、1080/24pで再生するには、プレーヤーとテレビの両方がこの規格に対応している必要があります。2007年以降に発売されたBDプレーヤーやテレビの多くが対応しています。

HDオーディオとは

BD-ROMで採用されているロスレスサラウンド音声（ドルビーTrueHD、DTS-HDマスターオーディオ）を、一般的にHDオーディオと呼びます。これらの音声を正しく再生するには、BDプレーヤーとAVアンプの両方がHDオーディオに対応している必要があります。

接続方法には、以下の3種類があります。

ビットストリーム出力: BDプレーヤーからHDMIで記録信号をそのまま出力し、AVアンプでデコード・再生します。
PCM出力: BDプレーヤー側でデコードし、PCMサラウンド音声としてHDMIでAVアンプに出力します。プレーヤーとAVアンプがアナログ5.1ch/7.1ch音声出力に対応していれば、アナログ接続も可能です。
光デジタル音声出力: プレーヤーとAVアンプに光デジタル音声端子があればサラウンド再生が可能ですが、音質はドルビーデジタルやDTS相当に劣化します。

2007年以降に発売されたBDプレーヤーの多くは、HDオーディオのビットストリーム出力とデコードに対応しています。また、HDMI Ver.1.3対応のAVアンプも普及が進んでいます。

BDプレーヤーの歴史と市場

2006年6月に、サムスン電子が初のBDプレーヤーを発売しました。当初の価格は約1000ドルでした。

同年11月には、BD-ROM再生に対応したゲーム機「PlayStation 3」（PS3）が登場。PS3は、それまでのBDプレーヤーよりも低価格だったため、BDプレーヤーの普及を牽引しました。

2007年には、東芝がHD DVDプレーヤーを大幅値下げしたため、BDプレーヤーも価格競争を余儀なくされました。それでも、BDプレーヤーの販売は好調で、特に北米市場では在庫切れになるほどの人気でした。

日本市場の状況

日本では、BD/DVDレコーダー市場が特異的に大きく、BDプレーヤーの普及はやや遅れました。2008年時点では、ソニー、シャープ、パイオニア、デノンの4社とPS3が主なプレーヤーでした。しかし、2009年以降、パナソニックなど他のメーカーも参入し、一般向けの機種が増えています。

2012年秋以降、著作権保護のため、アナログAV出力端子を廃止した機種が主流となりました。これにより、HDMI端子非搭載の旧型テレビでは視聴できなくなっています。

近年はBDプレーヤーの低価格化が進んでおり、2016年のPS4 Proの発売以降は、高級機と低価格機の間で画質差が縮まり、低価格機が主流となっています。高級機を開発していたメーカーは、UHD-BDプレーヤーの開発にシフトしています。

主なBDプレーヤー製品

以下は、主なメーカーが発売したBDプレーヤーの代表的なモデルです。

一般向け

ソニー: BDP-S350、BDP-S5000ES、BDP-S360、BDP-S370、BDP-S470
シャープ: BD-HP1、BD-HP21
パイオニア: BDP-120、BDP-320
パナソニック: DMP-BD60、DMP-BD65、DMP-BDT900、DMP-BDT320、DMP-BDT330、DMP-BD77、DMP-BD79、DMP-BD81
SIE:PlayStation 3、PlayStation 4|PlayStation_4、PlayStation 5|PlayStation_5

ホームシアター向け

ソニー: BDP-S5000ES
パイオニア: BDP-LX52、BDP-LX70、BDP-LX71、BDP-LX80、BDP-LX88、BDP-LX91
デノン: DVD-3800BD、2500BT

ポータブル・業務用

廣華物産: BRD-10
パナソニック: DMP-BV100、DMP-BV200、DMP-B100、DMP-BV300、DMP-B200、DMP-T1000
パイオニア: BDP-V6000

パソコンでのBD視聴

パソコンでBDを視聴するには、BDドライブと「BD再生ソフトウェア」が必要です。「BD再生ソフトウェア」は、BDプレーヤーに搭載されているデジタル信号処理をソフトウェアで実現したもので、「ソフトウェアBDプレーヤー」とも呼ばれます。DVD同様、再生ソフトはメディアプレーヤーの一種に分類されます。多くのソフトは、BDAVやDVD-Videoの視聴にも対応しています。

途切れのない再生には、パソコンにある程度の処理能力が求められます。

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