プログレスM-17M
プログレスM-17M
プログレスM-17Mは、ロシア連邦宇宙局によって国際宇宙ステーション（ISS）へ物資を輸送するために運用された無人補給船です。この機体は、ロシア語でПрогресс М-17Мと呼ばれ、NASAやJAXAでは「プログレス49」または「49P」として識別されました。改良型プログレス補給船（11F615A60型）としては17番目の機体であり、製造番号は417です。この打ち上げは、ISSへの補給ミッション全体で130回目、2012年にロシアが実施した宇宙機打ち上げとしては20回目、そしてロシアの主力ロケットであるR-7系列での年初からの打ち上げとしては11回目にあたる任務でした。
プログレスM-17Mは、2012年10月31日、協定世界時7時41分19秒に、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地1/5発射台から、ソユーズ-Uロケットによって宇宙へ打ち上げられました。打ち上げからわずか約10分後には、計画された低軌道への投入に成功しました。打ち上げ時、ISSは発射場の約1550km後方に位置していましたが、プログレスM-17Mは軌道投入後、ISSから見て約3610km後方の位置に付けられました。
本ミッションで特に注目されたのは、ISSへのランデブーおよびドッキングに採用された新しい「急速接近方式」です。これは、従来のプログレス補給船がISSへのドッキングに約50時間を要していたのに対し、打ち上げからISSへのドッキングをわずか4周回で達成するという、大幅な時間短縮を実現する方式です。この迅速なアクセスは、宇宙での寿命が短いデリケートな生物化学的品目などを効率的に輸送することを可能にしました。また、この方式はプログレスでの試験運用を経て、2013年からは有人宇宙船であるソユーズのドッキングプロセスにも導入され、宇宙飛行士の負担軽減に貢献しています。
ランデブーの過程では、プログレスM-17MはISSに段階的に接近するため、複数回の精密な軌道制御噴射を行いました。誘導は、ISSとプログレス双方に搭載された「クルス」誘導システムによって行われました。また、約8kmまで接近した時点で、ISS搭乗員が外部の状況を視覚的に確認するためのTVシステムが起動されました。プログレスがさらに近づくと、ISSに滞在中の第33次長期滞在クルー、特にユーリ・マレンチェンコ宇宙飛行士は、万が一自動ドッキングシステムに問題が発生した場合に、手動でのドッキング操作を行うための「TORU」システムの前に待機しました。オレッグ・ノヴィツキーとエヴゲニー・タレルキン両宇宙飛行士もマレンチェンコ宇宙飛行士を支援し、プログレスからの技術映像を監視しました。ロシアの管制センター（ツープ）は、この間、プログレスのシステムが正常に稼働し、ISSのズヴェズダモジュールにあるドッキングポートと適切に整列していることを確認しました。
プログレスM-17MはISSの周囲を旋回しながら接近を続け、約300mまで近づきました。ISSの軌道を一周した後、約180mの距離で一時的に位置を保持しました。管制センターからの最終接近指令を受けて、プログレスは最終的な制御噴射を行い、計画通りにズヴェズダモジュールへのドッキングを成功させました。ドッキングが完了したのは、打ち上げから5時間52分後の2012年10月31日13時33分（協定世界時）でした。ドッキング成功の瞬間、ISSとプログレスM-17Mは南米のコロンビア上空を飛行していました。
プログレスM-17Mは、ISS滞在クルーのための生活物資や、ステーションの運用に必要な機器などを運びました。主な搭載物資は以下の通りです。
ドライカーゴ：機器類、食料、医療品、生命維持関連品など 合計1247kg
燃料：ISSロシア側モジュール用 683kg
水：飲料水や各種システム用 420kg
空気：呼吸用（酸素など） 47kg
これらの物資は、ISSでの長期にわたる科学研究や滞在生活を維持する上で不可欠なものでした。
約半年間にわたりISSにドッキングしていたプログレスM-17Mは、その役割を終え、次の補給船（プログレスM-19M）がドッキングするためのポートを空けるため、2013年4月15日にISSからドッキングを解除しました。ドッキング解除後、プログレスM-17Mは自動モードで約6日間飛行を続け、「レーダープログレス」という科学実験を実施しました。全てのミッションを終えた後、プログレスM-17Mは2013年4月21日15時2分（協定世界時）頃、地球の大気圏に再突入しました。機体の大部分は大気との摩擦熱で燃え尽き、燃え残った破片は、事前に設定された南太平洋上の安全な海域に落下しました。
プログレスM-17Mは、ロシア連邦宇宙局によって国際宇宙ステーション（ISS）へ物資を輸送するために運用された無人補給船です。この機体は、ロシア語でПрогресс М-17Мと呼ばれ、NASAやJAXAでは「プログレス49」または「49P」として識別されました。改良型プログレス補給船（11F615A60型）としては17番目の機体であり、製造番号は417です。この打ち上げは、ISSへの補給ミッション全体で130回目、2012年にロシアが実施した宇宙機打ち上げとしては20回目、そしてロシアの主力ロケットであるR-7系列での年初からの打ち上げとしては11回目にあたる任務でした。
打ち上げ
プログレスM-17Mは、2012年10月31日、協定世界時7時41分19秒に、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地1/5発射台から、ソユーズ-Uロケットによって宇宙へ打ち上げられました。打ち上げからわずか約10分後には、計画された低軌道への投入に成功しました。打ち上げ時、ISSは発射場の約1550km後方に位置していましたが、プログレスM-17Mは軌道投入後、ISSから見て約3610km後方の位置に付けられました。
急速接近方式によるドッキング
本ミッションで特に注目されたのは、ISSへのランデブーおよびドッキングに採用された新しい「急速接近方式」です。これは、従来のプログレス補給船がISSへのドッキングに約50時間を要していたのに対し、打ち上げからISSへのドッキングをわずか4周回で達成するという、大幅な時間短縮を実現する方式です。この迅速なアクセスは、宇宙での寿命が短いデリケートな生物化学的品目などを効率的に輸送することを可能にしました。また、この方式はプログレスでの試験運用を経て、2013年からは有人宇宙船であるソユーズのドッキングプロセスにも導入され、宇宙飛行士の負担軽減に貢献しています。
ランデブーの過程では、プログレスM-17MはISSに段階的に接近するため、複数回の精密な軌道制御噴射を行いました。誘導は、ISSとプログレス双方に搭載された「クルス」誘導システムによって行われました。また、約8kmまで接近した時点で、ISS搭乗員が外部の状況を視覚的に確認するためのTVシステムが起動されました。プログレスがさらに近づくと、ISSに滞在中の第33次長期滞在クルー、特にユーリ・マレンチェンコ宇宙飛行士は、万が一自動ドッキングシステムに問題が発生した場合に、手動でのドッキング操作を行うための「TORU」システムの前に待機しました。オレッグ・ノヴィツキーとエヴゲニー・タレルキン両宇宙飛行士もマレンチェンコ宇宙飛行士を支援し、プログレスからの技術映像を監視しました。ロシアの管制センター（ツープ）は、この間、プログレスのシステムが正常に稼働し、ISSのズヴェズダモジュールにあるドッキングポートと適切に整列していることを確認しました。
プログレスM-17MはISSの周囲を旋回しながら接近を続け、約300mまで近づきました。ISSの軌道を一周した後、約180mの距離で一時的に位置を保持しました。管制センターからの最終接近指令を受けて、プログレスは最終的な制御噴射を行い、計画通りにズヴェズダモジュールへのドッキングを成功させました。ドッキングが完了したのは、打ち上げから5時間52分後の2012年10月31日13時33分（協定世界時）でした。ドッキング成功の瞬間、ISSとプログレスM-17Mは南米のコロンビア上空を飛行していました。
搭載物資
プログレスM-17Mは、ISS滞在クルーのための生活物資や、ステーションの運用に必要な機器などを運びました。主な搭載物資は以下の通りです。
ドライカーゴ：機器類、食料、医療品、生命維持関連品など 合計1247kg
燃料：ISSロシア側モジュール用 683kg
水：飲料水や各種システム用 420kg
空気：呼吸用（酸素など） 47kg
これらの物資は、ISSでの長期にわたる科学研究や滞在生活を維持する上で不可欠なものでした。
ミッションの終了
約半年間にわたりISSにドッキングしていたプログレスM-17Mは、その役割を終え、次の補給船（プログレスM-19M）がドッキングするためのポートを空けるため、2013年4月15日にISSからドッキングを解除しました。ドッキング解除後、プログレスM-17Mは自動モードで約6日間飛行を続け、「レーダープログレス」という科学実験を実施しました。全てのミッションを終えた後、プログレスM-17Mは2013年4月21日15時2分（協定世界時）頃、地球の大気圏に再突入しました。機体の大部分は大気との摩擦熱で燃え尽き、燃え残った破片は、事前に設定された南太平洋上の安全な海域に落下しました。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。