プログレスM-43

プログレスM-43（ロシア語: Прогресс М-43）は、2000年にロシア連邦によって運用された無人宇宙補給機です。プログレス補給船ファミリーの一員であり、この機体にはシリアル番号243が付与されていました。主な任務は、当時クルーが滞在していなかったミール宇宙ステーションへ、必要不可欠な物資を補給することでした。

搭載貨物

プログレスM-43は、2000年6月以降、宇宙飛行士が不在となっていたミール宇宙ステーションに向けて、多岐にわたる貨物を搭載していました。その積載量は1400kgを超え、具体的には呼吸に必要な酸素などの気体、軌道上での科学実験に用いられる機器類、ステーションの維持・補修に必要な資材、そして姿勢制御や軌道変更に使用する燃料などが含まれていました。これらの輸送貨物の総重量は、1454kgに達しました。この補給任務は、無人状態が続くミールを維持管理し、将来の有人ミッション再開や運用継続のために極めて重要な役割を果たしました。

ミッションの経過

プログレスM-43は、2000年10月16日のモスクワ時間午前0時27分6秒（協定世界時では前日21時27分6秒）に、カザフスタン共和国に位置するバイコヌール宇宙基地から、ソユーズ-Uロケットによって宇宙へと打ち上げられました。打ち上げは計画通りに進み、機体は地球周回軌道に乗りました。

打ち上げから約5日後、本機はミール宇宙ステーションとのランデブーを実行しました。2000年10月21日のモスクワ時間午前0時16分5秒（協定世界時では前日21時16分5秒）には、ミール宇宙ステーションの「クバント1」モジュールに無事ドッキングしました。ステーションへの接近および結合は、すべて自動操縦システムによって正確に行われました。

このドッキングプロセスにおいては、独特な「4日間収束方式」が採用されました。これは、従来の2日間や3日間でステーションに到達する方式と比較して、軌道上での調整にかかる燃料消費を大幅に削減できるという利点がありました。燃料は宇宙ステーションの維持や将来の運用にとって非常に貴重であるため、この効率的なアプローチが選択されたと考えられます。

ミール宇宙ステーションに結合している間、プログレスM-43は補給物資の引き渡しや、ステーションの軌道維持のための噴射など、様々な役割を果たしました。補給任務を終えた後、本機はミールから切り離されることになりました。ドッキング解除は、2001年1月25日のモスクワ時間午前8時19分23秒（協定世界時では同日5時19分23秒）に行われました。ミールから離れたプログレスM-43は、その後、その役割を終えて軌道上を自由に飛行することになりました。多くのプログレス補給船と同様に、最終的には大気圏に再突入して燃え尽きたと考えられます。

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