ヘスペリジン

ヘスペリジン (Hesperidin)とは

ヘスペリジンは、温州みかんやはっさく、ダイダイなどのフルーツの皮や薄皮に豊富に含まれるフラバノン配糖体に分類される成分で、ポリフェノールの一種です。この化合物は、特に陳皮の主成分として知られ、ビタミンPというビタミン様物質のグループにも属しています。

その名称は、ギリシア神話に登場するニュンペー・ヘスペリデスに由来しています。ヘスペリジンは植物において防御の役割を果たすと考えられており、研究によっては抗酸化物質としての機能が確認されています。具体的には、ヘスペリジンはアグリコン型のヘスペレチン（Hesperetin）を持ち、糖部分は6-O-α-L-ラムノシル-D-β-グルコースであるβ-ルチノースです。この構造により、ヘスペレチンの7位にグルコースが結合し、さらにそのグルコースの6位にはラムノースが接続されています。

生理作用

ヘスペリジンについては、多くの薬理学的作用が報告されています。これまでの研究によれば、ラットを対象にした実験ではコレステロール値や血圧の低下を促進する効果が見られました。また、マウスに対する大量投与では骨密度を維持し、さらには敗血症に対する保護効果が示されています。

さらに、ヘスペリジンは抗不安作用を持つとされます。この作用はオピオイド受容体またはアデノシン受容体によって媒介されていると考えられています。In vitro の研究では、ヘスペリジンが血液脳関門を通過することも確認されています。

その他のヘスペリジンの機能としては、抗酸化作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、毛細血管の強化、血圧の降下、血管透過性の抑制、血清脂質の改善、さらには発がん抑制などが検討されています。

これまでの研究成果は、ヘスペリジンがさまざまな健康への貢献が期待される成分であることを示しており、その利用向上が今後の課題となっています。以下に、ヘスペリジンに関連する項目を挙げます。

関連項目

• - ルチン：他のフラボノイド類似物質であり、血圧を下げる効果など。
• - ケルセチン：抗酸化作用が強いことで知られるフラボノイド。
• - 糖転移ヘスペリジン（モノグルコシルヘスペリジン）：ヘスペリジンにブドウ糖が結合した形態。

外部リンク

• - 江崎グリコ素材豆知識: ヘスペリジン（ビタミンP）とは
• - 糖転移ヘスペリジン・ビタミンP研究会
• - ヘスペリジン研究データ

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