ベリアシアン

ベリアシアン（Berriasian）

ベリアシアンは、約1億4550万年前から1億4020万年前までの期間を包含する、白亜紀初期の地質時代です。この名称は1869年にHenri Coquandによって初めて文献に記載され、フランスのアルデシュ県に位置するベリアス村から名付けられました。

層序の定義と化石証拠

ベリアシアンを代表する層序として、イギリスのパーベック累層が挙げられます。以前は、この時代の基準としてパーベックとウェルデンが使用されていましたが、ベリアシアンの基準は慣習的にアンモナイトの一種であるBerriasella jacobiの出現に基づいて決定されています。国際地質科学連合（IUGS）による再検討が進む中、より明確な層序の定義が求められています。

この時代における層序の明確化には、特定の化石が利用されます。例えば、Nannoconus steinmanniiなどの石灰質微化石や、繊毛虫の一種であるCalpionellids、さらにはアンモナイトの化石が重要です。特に、地磁気に関する記録が明白であり、chron m18rという地磁気の証跡が特に注目されています。

テチス海が広がっていた地域において、ベリアシアンは特にアンモナイトに基づいて4つの層に分類されます。これらの層は以下の通りです：
1. Thurmanniceras otopeta
2. Subthurmannia boissieri
3. Subthurmannia occitanica
4. Berriasella jacobi

ベリアシアンの末期、すなわちバランギニアン初期には、Calpionellidの一種であるCalpionellites darderiが初めて現れ、この化石はアンモナイトのThurmanniceras pertransiensよりもわずかに下に位置します。

ベリアシアン時代の古生物

この時代には多様な生物が生息しており、その中には哺乳類や鳥類、恐竜が含まれます。特に、いくつかの哺乳類が発見されており、例えば以下の種が知られています：

• - Albionbaatar（発見地：ドーセット、イングランド）
• - Bolodon（発見地：ドーセット、イングランド、スペイン）
• - Ecprepaulax（発見地：ポルトガル）
• - Gerhardodon（発見地：ドーセット、イングランド）
• - Iberodon（発見地：ポルトガル）

また、鳥類に関してもさまざまな種が確認されています。特に、以下のような種が重要です：

• - Eurolimnornis
• - Gallornis
• - Palaeocursornis
• - Wyleyia

加えて、恐竜の中でも特に獣脚類が多様化しており、いくつかの種名が記録されています。例えば、

• - Dromaeosauroides
• - Embasaurus
• - Nuthetes

竜脚形亜目にも多数の代表的な恐竜がいて、初期の種として以下が知られています：

• - Algoasaurus
• - Galveosaurus
• - Pelorosaurus

さらに、鳥盤目にはEchinodonが含まれ、スワネージで発見された草食恐竜であるこの種は、特異な上顎の歯を持っていました。また、装盾亜目では、HylaeosaurusやParanthodonなどが知られています。

このように、ベリアシアンという地質時代は、多彩な古生物の生息が確認されており、地質学や古生物学において極めて重要な時代と位置付けられています。

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