ベルナール・パルメジャーニ

ベルナール・パルメジャーニ

ベルナール・パルメジャーニ（Bernard Parmegiani, 1927年10月27日 - 2013年11月22日）は、フランス・パリに生まれ、電子音楽およびアクースマティック・ミュージックの分野で世界的に知られる作曲家です。その生涯にわたり、音響技術と芸術表現の融合を追求し、数多くの革新的な作品を生み出しました。

来歴

パルメジャーニのキャリアは、音楽以外の分野からも深い影響を受けています。特に、1957年から1961年にかけてジャック・ルコックの下でマイムを学んだ経験は、後の作曲活動における音響空間の扱い方や身体性への意識に大きな影響を与えたと自身が述べています。この身体的な訓練を終えた後、彼は急速に電子音響の世界へと進んでいきます。

1959年、ピエール・シェフェールによって創設されたばかりのフランス音楽研究グループ（GRM）に参加。ここで2年間のマスタークラスを受講し、電子音楽の基礎と可能性を深く探求しました。GRMは当時、世界最先端の電子音楽研究機関であり、この環境での学びはパルメジャーニの音楽言語を形成する上で決定的な要素となりました。

GRMでの学びと並行して、パルメジャーニはフランス国営放送（ORTF）に音響技師として入局。その後、音楽・映像部門の責任者を務めるなど、技術とマネジメントの両面で貢献しました。ORTFのスタジオでは、ヤニス・クセナキスをはじめとする当時の著名な作曲家たちと協働し、実践的な経験を積みました。

多様な活動領域

パルメジャーニの活動は、コンサート音楽にとどまりませんでした。彼は数多くの映像作品のために音楽を提供しており、ジャック・バラティエやペテ・カソヴィッツなど、多くの映画監督と協業しました。特に、ジャン・ルニカ監督の1965年の作品『A』における音楽は知られています。また、フランス国内のメディア向けに多くのジングルを制作しており、広く一般にそのサウンドが浸透しました。顕著な例としては、1971年から2005年までシャルル・ド・ゴール国際空港でフライトアナウンスの前に使用された音楽があり、これは彼の作曲によるものです。

主要作品と探求

パルメジャーニの代表作の一つとされるのが、1964年にヴァイオリンとテープのために作曲された『ヴィオロストリーズ』です。この作品は舞踊のために制作され、アミアン現代劇場でジャック＝アルベール・シャルティエの演出により初演されました。音楽と舞台芸術の緊密な連携を示す初期の例です。

1960年代後半にアメリカに滞在した際には、映像と音楽の融合、特に視覚と聴覚の相互作用について深く研究しました。この探求は、後に西ドイツ放送のレジデンスプログラム中に制作された音楽映像作品、『L'Œil écoute（聴く眼）』や『L’Écran transparent（透明なスクリーン）』（共に1973年発表）といった形で結実しました。これらの作品は、サウンドだけでなく視覚要素も含めた総合的な芸術表現を追求する彼の姿勢を示しています。

1970年代には、ジャズのライブパフォーマンスにも関心を示し、ロンドンの実験的なバンド、サード・イアー・バンドとの共演も行いました。この頃から、彼はコンサートホールでの演奏を念頭に置いたアクースマティック作品の制作を本格化させます。初期の重要な作品には、『Capture éphémère』（1967年）や、フランソワ・ベイルとの共作であるダンテの『神曲』に基づく『L'Enfer（地獄）』（1972年）などがあります。

後期と影響

1992年に長年活動の拠点であったGRMを離れた後、パルメジャーニはフランス南部のサン＝レミ・ド・プロヴァンスに自身のスタジオを設立し、創作活動を続けました。晩年には、2010年にクォーツ電子音楽賞の審査員を務めるなど、次世代のアーティスト育成にも貢献しました。彼の革新的な音響世界は、エイフェックス・ツイン、オウテカ、ソニック・ユースといった、現代の多くの実験的アーティストたちに測り知れない影響を与えています。

受賞歴

ベルナール・パルメジャーニは、その功績に対して数々の賞を受賞しています。

1979年 フランス・ディスク賞 (Prix de l'Académie du Disque Français)
1981年 フランス音楽著作権協会賞 (Prix des compositeurs, SACEM)
1991年 ブルージュ国際コンクール賞 (Prix Magister at the Concours International de Bourges)
1993年 アルス・エレクトロニカゴールデンニカ賞 (Golden Nica, Prix Ars Electronica, Linz)

主要作品リスト

1964年：Violostries
1967年 - 1968年：L’Instant mobile, Capture éphémère
1970年：L'Œil écoute
1971年：Chronos
1971年：L’Enfer (based on La Divine Comédie)
1972年：Pour en finir avec le pouvoir d’Orphée
1974年：Chants Magnétiques
1975年：De Natura Sonorum
1980年：L’Echo du miroir
1984年：La Création du monde
1985年 - 1986年：Exercismes 1 - 2 - 3
1991年：Le Présent composé
1992年：Entre-temps
1996年：Sonare

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