ベロー・ウッド (空母)

ベロー・ウッド(CV/CVL-24)：激戦を生き抜いた航空母艦の生涯

ベロー・ウッド(USS Belleau Wood, CV/CVL-24) は、アメリカ海軍の航空母艦であり、インディペンデンス級航空母艦の3番艦として知られています。当初はクリーブランド級軽巡洋艦「ニューヘヴン」として建造が始まりましたが、1942年2月16日、艦種変更と改名が行われ、航空母艦としての道を歩むことになります。艦名は、第一次世界大戦でアメリカ海兵隊がドイツ軍と激戦を繰り広げ勝利したフランスの地名、ベローの森に由来しています。

太平洋戦争での活躍

1943年3月31日、ベロー・ウッドは就役し、太平洋艦隊に配属。ベーカー島、タラワ、ウェーク島攻撃などに参加した後、ギルバート諸島の攻略作戦にも投入されました。1944年には、マーシャル諸島、トラック島、サイパン島、パラオ、フィリピンなど、数々の主要作戦に参加し、その戦闘能力を遺憾なく発揮しました。特にマリアナ沖海戦では、ベロー・ウッドから発進した雷撃機が、日本海軍空母「飛鷹」の撃沈に貢献しました。

この期間、ベロー・ウッドは数々の空襲を受けながらも、その任務を全うしました。真珠湾でのオーバーホールを経て、再び第一線に復帰。グアム攻略、ペリリュー島攻略支援、フィリピン攻撃など、重要な作戦を支援しました。中でも、レイテ湾における戦いでは、神風特攻隊の攻撃を受け、甚大な被害を被りました。10月30日、特攻機がベロー・ウッドの飛行甲板に激突。乗組員92名もの尊い命が失われ、艦載機も多数失われました。この攻撃は、空母「フランクリン」への攻撃と合わせて、高速機動部隊に対する最初の神風特攻となりました。この攻撃によって第38.4任務群の航空戦力は半減し、東京空襲の中止にまで繋がるほどの大きな影響を与えました。

本土攻撃と終戦

修理を終えたベロー・ウッドは、1945年1月20日、再び戦闘に復帰。日本本土および南西諸島への攻撃に参加し、硫黄島上陸支援にも貢献しました。終戦間際にも、日本本土への攻撃を継続。太平洋戦争で最後に撃墜された日本海軍機は、ベロー・ウッド所属の戦闘機によって撃墜されました。終戦後は、日本海域にとどまり、復員兵輸送任務（マジック・カーペット作戦）に従事。1947年、予備役となりました。

フランス海軍での運用

1953年9月5日、ベロー・ウッドは相互防衛援助計画に基づき、フランス海軍に移管。「ボア・ベロー (Bois Belleau, R97)」と改名され、フランス海軍航空隊で運用されることになりました。当時のフランスはインドシナ戦争の最中であり、ボア・ベローはインドシナ半島周辺での作戦行動に従事。スエズ動乱、アルジェリア戦争にも参加しました。1960年、アメリカに返還され、除籍。その後スクラップとして売却されました。

ベロー・ウッドの功績

ベロー・ウッドは、太平洋戦争においてアメリカ海軍の勝利に大きく貢献しました。殊勲部隊章を与えられる9隻の空母の1隻であり、12個の従軍星章を受章するなど、その戦功は高く評価されています。その激動の艦歴は、太平洋戦争における航空母艦の重要な役割と、戦争の残酷さを物語る重要な歴史資料となっています。

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