ベンジー・モリーナ

ベンハミン・ホセ・モリーナ・マッタ、通称ベンジー・モリーナは、1974年プエルトリコ出身の元プロ野球選手です。ポジションは捕手、右投右打でした。

モリーナの特筆すべき点は、2人の弟、ホセ・モリーナ、ヤディアー・モリーナもメジャーリーガーであり、しかも3兄弟全員が捕手であることです。特に末弟のヤディアーは、セントルイス・カージナルスで長年活躍し、名捕手として知られています。

プロ野球選手としての歩み

1993年、ドラフト外でカリフォルニア・エンゼルス（現ロサンゼルス・エンゼルス）に入団。
1998年にメジャーデビューを果たし、2000年からレギュラーに定着します。

2001年には、実弟のホセ・モリーナが昇格し、ベンジーが正捕手、ホセが控え捕手として兄弟でエンゼルスに所属。翌2002年には、チームはワールドシリーズを制覇し、兄弟揃ってチャンピオンリングを獲得しました。この年、ベンジーは自身初のゴールドグラブ賞を受賞しています。それまで10年連続で受賞していたイバン・ロドリゲスを抑えての受賞でした。

2005年オフにトロント・ブルージェイズへ移籍。ここでも正捕手として活躍し、自己最多の19本塁打を記録するなど、チームの躍進に貢献しました。

2006年オフにはサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍。引き続き正捕手として活躍し、自己最多タイの19本塁打、自己最多の81打点を記録しています。

2010年7月には、テキサス・レンジャーズへ移籍し、同年限りで現役を引退しました。

プレースタイル

守備では強肩が持ち味で、2002年と2003年には盗塁阻止率でリーグ1位を記録。この2年間でゴールドグラブ賞を獲得しました。晩年は阻止率が低下したものの、通算ではメジャー平均を上回る数字を残しています。

打撃は早打ちで、四球・三振が少ないのが特徴です。また、非常に足が遅いことでも知られており、Sports Illustrated誌のアンケートで「足が遅い選手」1位に選ばれたこともあります。しかし、鈍足ながらも、2010年にはサイクル安打を達成しています。

引退後

2012年、弟のヤディアーが所属するセントルイス・カージナルスの打撃コーチ補佐に就任。
2013年には古巣レンジャーズの一塁ベースコーチを務めました。

ベンジー・モリーナは、堅実な守備と勝負強い打撃でチームに貢献した名捕手でした。また、3兄弟全員がメジャーリーガーとして活躍したことは、野球界における偉業として語り継がれています。

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