ルターシュタット・ヴィッテンベルク

ルターシュタット・ヴィッテンベルク：宗教改革の中心地

ルターシュタット・ヴィッテンベルクは、ドイツのザクセン＝アンハルト州に位置する都市であり、宗教改革の立役者マルティン・ルターが活躍した地として世界的に知られています。1938年以降に冠された「ルターシュタット」の名の通り、ルターの足跡を今に伝える重要な都市です。人口は約46,000人。

地勢と産業

ヴィッテンベルクは、エルベ川のほとりに位置し、周辺都市へのアクセスも良好です。ライプツィヒまで約60km、ポツダムまで約65kmと、主要都市へのアクセスも便利です。

歴史

ヴィッテンベルクの歴史は古く、1000年頃にはその存在が記録されています。1187年には教会に関する文書に「ヴィッテンベルク」の名が確認できます。その後、ザクセン公アスカーニエン家の影響下で発展し、13世紀にはアルブレヒト2世の宮廷都市となりました。1356年には、ザクセン＝ヴィッテンベルク公が金印勅書によって選帝侯の資格を得ましたが、15世紀にアスカーニエン家が断絶すると、ヴェッティン家が選帝侯となり、ヴィッテンベルクは選帝侯都市の地位を失いました。

しかし、16世紀に入り、フリードリヒ3世がヴィッテンベルクに宮廷を置いたことで、再び発展の機会が訪れます。宮廷画家としてルーカス・クラナッハが工房を構え、1502年にはヴィッテンベルク大学が創設され、文化の中心地としての地位を確立しました。1547年にエルネスティン家が選帝侯の地位を失ったことで、ヴィッテンベルクは再びザクセン選帝侯宮廷都市の座を失っています。

宗教改革の口火

1517年、ヴィッテンベルク大学教授のマルティン・ルターが、大学内の聖堂の扉に『95ヶ条の論題』を提示しました。これが宗教改革の幕開けとなり、ヴィッテンベルクは宗教改革の中心地として重要な役割を果たすことになります。1518年には、フィリップ・メランヒトンが同大学の教授として招かれ、ルターと共に宗教改革を推進しました。ハンス・タウセンやペトリ兄弟など、北欧の宗教改革推進者たちもヴィッテンベルクでルターに師事しています。

2009年には、ルター派世界連盟がヴィッテンベルクに出先機関を開設し、ルター派教会への支援を行っています。

姉妹都市

ヴィッテンベルクは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ゲッティンゲン（ドイツ）
シャロン＝アン＝シャンパーニュ（フランス）
スプリングフィールド（アメリカ合衆国）
ハザスレウ（デンマーク）
ブレッテン（ドイツ）
ベーケーシュチャバ（ハンガリー）

ヴィッテンベルク出身の人物

* ヴァルター・ヴェンク - 軍人

ヴィッテンベルクは、宗教改革の歴史を今に伝える貴重な都市であり、多くの観光客が訪れる場所です。ルターの足跡を辿りながら、歴史と文化に触れる旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

もう一度検索