ペディノ藻綱

ペディノ藻綱について

ペディノ藻綱（学名：Pedinophyceae）は緑藻植物門に属する緑藻の一群で、古くから独自の系統群として認識されています。この綱の特徴は、主に単細胞であることと、その細胞が鞭毛を持つ点にあります。具体的には、細胞の側面から後方にかけて1本の鞭毛が伸びています。この鞭毛は母細胞から引き継がれた基底小体に由来しており、鞭毛を生じない小体も存在します。これらの基底小体は反対方向を向き、整然と配列されています。

特徴

ペディノ藻綱の細胞は通常、長さが約2.5〜10µmの楕円形で、やや扁平な形状をしています。多くの場合、細胞は外皮に覆われておらず、葉緑体は1つだけでピレノイドも持っています。細胞内の栄養成分として、色素類（カロテノイド）が含まれており、具体的にはルテイン、ゼアキサンチン、β-カロテンなどが知られています。また、ペディノ藻は無性生殖を行うが、有性生殖については現時点では詳細が不明です。細胞分裂では、閉鎖型の核分裂が見られるため、細胞質分裂の過程で特有の構造（ファイコプラスト）は形成されません。

生態

ペディノ藻綱に属する種は、海洋から淡水、さらには土壌の中でも生存しており、その生息環境は多岐にわたります。特に、渦鞭毛藻や放散虫の中に細胞内共生を形成する種類も存在しています。これにより、ペディノ藻は非常に多様な生態系の一部を担っていることがわかります。

系統と分類

この綱は緑藻植物門における初期の分岐群の一つであり、単純な細胞構造を持つために、原始的な緑色植物と見なされることが多いですが、実際には二次的な特徴の一つとしてとらえられることもあります。この綱は、プラシノ藻綱やロクソ藻綱に分類されることもありましたが、早期から独立した綱として扱われてきました。

分子系統解析では、ペディノ藻綱が「コア緑藻植物」とも呼ばれる群に近縁であることが示されています。これには、アオサ藻綱やクロロデンドロン藻綱も含まれます。特にクロレラ目との親近性が議論されたこともありますが、過去の誤同定により、ペディノ藻が最初の分岐群であるとされていた時期もありました。

2019年現在、ペディノ藻綱に分類されるのは約5属20種であり、さらにスコウルフィエルディア目（Scourfieldiaを含む）を暫定的にこの綱に含めることもありますが、その支持するための分子情報は十分ではありません。

参考文献

• - AlgaeBase: Class: Pedinophyceae. (英語) (2020年2月11日閲覧)

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