ペドロ・マルティネス

ペドロ・ハイメ・マルティネス

ペドロ・ハイメ・マルティネスは、1971年10月25日生まれのドミニカ共和国出身の元プロ野球選手で、主に投手として活躍しました。右投げ右打ちの彼は、1992年にロサンゼルス・ドジャースでメジャーデビューを果たし、以降はモントリオール・エクスポズ、ボストン・レッドソックス、ニューヨーク・メッツ、フィラデルフィア・フィリーズといった球団でプレーしました。現役引退後はボストン・レッドソックスの特別GM補佐を務めています。

プロキャリアの歩み

ドジャース時代

1988年にドジャースと契約し、1992年にはAAA級で7勝6敗、防御率3.81を記録しメジャーデビュー。1993年には球団新人記録の65試合に登板し、10勝、防御率2.61という優れた成績を収めました。

エクスポズ時代

1993年にモントリオール・エクスポズに移籍し、1994年から先発に転向。6月9日にはメジャー初の完投・完封を達成し、ストライキの影響でシーズンが短縮される中でも、11勝5敗、防御率3.42という成績を挙げました。1996年にはオールスターゲームに初選出され、兄ラモン・マルティネスとの対戦も話題に。1997年には開幕から8連勝を記録し、同年には初めてのサイ・ヤング賞を受賞しました。

レッドソックス時代

1997年にボストン・レッドソックスにトレードされ、大変高額な契約を結びます。1998年には自己最高の19勝を挙げ、1999年にはメジャー史上初となるシーズン300奪三振を達成。2000年にはシーズンWHIP（与四球率）0.74という記録を打ち立て、402奪三振を挙げ、3度目のサイ・ヤング賞も獲得しました。

メッツおよびフィリーズ時代

2004年にメッツと契約し、2006年には通算200勝を達成。2009年にはフィリーズと契約しワールドシリーズに出場しましたが、韓国の松井秀喜に打たれた本塁打が自身の最後の登板となりました。

引退後の活動

マルティネスは2011年に引退を発表し、2015年にはアメリカ野球殿堂入りを果たしました。また、同年ボストン・レッドソックスは彼の背番号「45」を永久欠番に指定しました。

投手としての特性

彼の身長は180cmとされますが、より小柄で細身であり、サイドスローに近いスリークォーターから95mph前後の速球を投げ、切れ味のある変化球を駆使しました。特にカーブは急ブレーキがかかることで有名で、多彩な変化球をコントロールできる能力は他の選手たちからも高く評価されました。

マルティネスの投球スタイルは、ピンチになると球速が上がる特性があり、その結果非常に多くの三振を奪いました。通算奪三振率はMLB史上トップクラスの数値を記録しており、その実力が広く知られるようになりました。特にステロイド時代においても、その自然な能力で多くの名選手と渡り合い、自己の成績を保ち続けた体験が重要視されています。彼は今なお、メジャーリーグの代名詞的存在として語り継がれています。

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