ペレスヴェート級戦艦

ペレスヴェート級戦艦

概要

ペレスヴェート級戦艦（ロシア語: Эскадренные броненосцы типа "Пересвет"）は、ロシア帝国によって建造された艦であり、艦隊装甲艦として分類されます。この級の艦は、元々装甲巡洋艦の拡大型として設計されましたが、後に巡洋戦艦としての性質を持つことが認識されました。

この艦は、同時期の前弩級戦艦に比べて高い速度を持ち、航続力と航洋性に優れていますが、武装や装甲は相対的に控えめでした。求められた性能には、伝統的な戦列艦の機能に加え、単独での通商破壊行動を実行できる能力も含まれていました。そのため、仮想敵国として当時のイギリス海軍が強く意識されており、イギリスのバーフラー級戦艦がコンセプトモデルとして参照されました。

設計と性能

ペレスヴェート級戦艦の設計は、装甲巡洋艦「ロシア」の拡張バージョンとして位置づけられています。艦体は前甲板の半分が延長され、より優れた装甲を持つ主砲塔が搭載されています。主砲として40口径の254mm砲を装備し、艦隊装甲艦としての地位を確立しています。

艦の火力は、主砲に加えて、副砲として152mmの速射砲や75mm、47mm、37mmなどの多様な砲を持ち、さらに漁船や水雷艇に対抗するための魚雷発射管も備えています。装甲は、舷側部分が229mm、先端部が178mm、主砲塔装甲が229mmから51mmの範囲で設定されています。

動力には、ロシアのバルト工場製の3基の垂直型3倍拡張レシプロ機関が使用され、ボイラーはフランスのベルヴィル式水管缶が30基使用されています。その結果、艦は最大速力18ノットを発揮し、航続距離を大きく確保できるよう設計されています。

同型艦

ペレスヴェート (Пересвет)

ペレスヴェートは、クリコヴォの戦いで知られるロシアの英雄にちなんで名付けられました。日露戦争では第1太平洋艦隊に所属し、黄海海戦に参加しましたが、旅順港で被弾して沈没しました。後に日本軍に引き上げられ、修理後、日本海軍に編入されましたが、再び沈没しました。

オスリャービャ (Ослябя)

オスリャービャも同様にロシアの英雄に由来する艦名を持ち、日露戦争の開戦時には日本海海戦に参加しましたが、戦没しました。

ポベーダ (Победа)

ポベーダは「勝利」という意味の艦名を持ち、日露戦争中、旅順艦隊に所属し、数回の戦闘で損傷を受けました。戦後は日本海軍に編入され、解体処分となりました。

結論

ペレスヴェート級戦艦は、その設計と運用において、ロシア海軍の戦艦として重要な役割を果たしていましたが、最終的には多くの艦が戦闘で失われ、その歴史は波乱に満ちたものでした。その存在は、艦艇の発展と海洋戦略における戦艦の地位を再評価させるきっかけとなりました。

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